「朝ドラ次期ヒロイン」杉咲花の知られざる決意 自ら立ちありのままで歩む理想の「女優道」
「女優をしていて感じるのは、自分との戦いで、基本的に孤独と向き合っています」
インタビューの途中、“仕事をしていて最高と感じる瞬間とは?”という問いに対し、予想もしなかった答えが彼女から返ってきた。
しかし、この答えは、若くから数々のドラマで主演という大役を担ってきたからこその、偽らざる本音にも聴こえた。彼女は、その孤独の先にある、かけがえのない時間の醍醐味を語ってくれた。
「お芝居をしていると、普段の生活では抱けないような感情に出会えたり、キャストだけではなくスタッフさんを含め、いろいろな役割に特化した才能を持った方々との出会いがあったりします。もともと、みんなでひとつの作品に向かって努力をするのが好きなので、その時間が今、いちばん楽しいです」
新型コロナ感染症の影響で、人々はさまざまな価値観や多様な生き方に揺れている。11月30日から放送されるNHK連続テレビ小説『おちょやん』でヒロインを演じる杉咲花は今、作品を通して、何を届けようとしているのかーー彼女の挑戦心と決意に迫った。
日本の朝は、朝ドラから始まる
人気女優への登竜門として注目されてきたのが、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)だ。最近では有村架純や土屋太鳳、永野芽郁など、今をときめく若手女優たちが“朝ドラ”出演後に全国区でより知名度を上げ、飛躍している。杉咲花にも『おちょやん』のヒロインが決定したときは、特別な感情が芽生えた。
「“朝ドラ”は『とと姉ちゃん』に出演させていただいていますが、その前後にもオーディションを受けていて、いつかヒロインをやりたいという思いがずっとありました。「自分には縁がないのかな」と思う一方で悔しさもあったので、今回 『おちょやん』で千代をやらせていただくことになって、本当にうれしかったです。
毎日、朝ドラを観ている方々にとっては、生活の一部のような存在になっている場合もあると思います。そんな作品に携わらせていただけることが光栄です」
杉咲花が演じる『おちょやん』のヒロイン、竹井千代は明治の末、大阪の南河内の貧しい家に生まれ、小学校にも満足に通わせてもらうことができず、9歳のときに、道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。そこで華やかな芝居の世界を目にしたことで女優を志し、芝居の世界に飛び込んでいく。
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