静岡リニア「非公表資料」県は守秘義務違反か 非公表資料を県はJR東海に無断で公表したのか

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JR東海は9月30日、静岡新聞に基礎データ資料の「コメント」が掲載されたことを重く見て、3条件などを遵守する約束を踏まえて、「資料及び借用書」が静岡新聞に掲載された経緯について確認して回答するよう県に求めた。

県は10月2日、JR東海の「資料及び借用書」が静岡新聞に掲載された経緯について「承知していない」と2人の担当課長名で回答した。一方、10月27日のリニア有識者会議の終了後、宇野護JR東海副社長は「資料はJR側から提供されたものではない」と改めて県関係者からのリークを示唆した。

このため、筆者は県の担当課長に、県が借用した資料が新聞に掲載されたのだから、公文書管理の問題として、改めて調査すべきと申し入れた。

この申し入れに対して、県のリニア問題責任者、難波副知事が10月30日に「新聞報道により掲載された資料の公開についての県の見解」という文書を公表した。

副知事の文書によれば、「本資料は2018年11月21日に全面公開で開催された県の会議で誰もが見えることができる状態で、ホワイトボートに掲載された。全面公開の会議の場で一時的に公開された資料であることから、この資料が報道されることに何ら問題はない」との見解が示された。

この説明は新聞掲載はホワイトボードの資料を写真撮影したことを示唆しており、県関係者からリークしたものではないと受け取れる。

無理がある副知事の説明

9月10日付1面トップ記事で「JR非公表資料」を伝えた静岡新聞は翌日(11日)朝刊で、「非公表資料は県の関係者に閲覧は限られた」などとしており、ホワイトボードで掲示されたことについては一言も触れていない。もし、ホワイトボードに掲示された資料を写真撮影したならば、それは「非公表資料」ではなく「公表資料」であり、その後、紙面でたびたび「公表」を求めることもない。その意味では、ホワイトボートの資料を写真撮影したという説明には無理がある。

しかし、実は「非公表資料」が一般公開の場で誰もが写真撮影できる状態にあったことが問題なのだ。

この資料について、当時の担当課長が実名で「JRの担当者から、外部に公表しないでもらいたいのでサインがほしい、と求められた」、「資料の所有者はJRなので、条件をのむしかなかった」と同紙にコメントを寄せている。少なくとも、担当課長は「外部に公表しない」ことを承知していた。

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