「ジモトでまったり」はそろそろ限界? マイルドヤンキーの先にある、選ぶ・作る“新しい地元”

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「地元」に閉じこもっていてはなかなか前に進めない

そんな状況を打開するきっかけになったのが出版業界の人たちとの出会いだった。もともと僕が編集者志望だったこともあって、話が通じやすく、自分がやりたいことを理解してもらえることも多かった。そして、こうした出会いを通じて広がった人間関係は、僕にとって新たな「地元」のように感じられた。

別のコミュニティには、別の評価基準がある。僕の場合、別の業界の人たちとの出会いを通じて自分の資質を見いだし、そこで得たネットワークを「地元(放送業界)」に持ち込んで攪拌することが、新番組の立ち上げや出演者の発掘につながった。そして番組という形で具体的に「自分が何者か」を示すことで社内の理解を得やすくなり、思いのほか賛同者がいることもわかったのだった。

放送中に交わされた議論でも「地元は一つではない」「地元を選ぶこともできる」という話が出てきた。仕事で行き詰まっているとき、社内という「地元」に閉じこもっていてはなかなか前に進めない。かといって、ただお客さんとしてあちこちに顔を出しているだけでは力にならない。

もう一つの地元を探す、新しい地元を作る、そしてそこで得たものを持ち帰って攪拌する、そんなつもりで動いてみるのがいいのではないだろうか(なお、今回の放送は番組サイトからポッドキャストで聴くことができる。過去の放送回もすべてアーカイブされているので、よかったらぜひお試しを)

構成:宮崎智之
撮影:会田邦秋

「週刊東洋経済」2014/5/24号:雇用がゆがむ

 ☆★☆お知らせ☆★☆

放送中のスタジオ内の様子

この記事で取り上げられた最新の「文化系トークラジオLife」(4月27日放送分)は、ポッドキャストでも聴けます。
「マイルドヤンキー限界論~"ジモトでまったり"では生きられない時代に必要な力」
最近「マイルドヤンキー」、「ヤンキー経済」という言葉が流行っていますが、Lifeでは2008年から同様の指摘をしていました。しかしもはや、マイルドヤンキー的な生き方が維持できない時代になりつつあるのではないか? という危機感のもと、“これからの時代に必要な力”を考えます。

長谷川 裕 TBSラジオ プロデューサー

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はせがわ ひろし / Hiroshi Hasegawa

1974年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1997年にTBS入社。2001年からTBSラジオの番組制作を担当し、「荻上チキ・Session-22」、「菊地成孔の粋な夜電波」、「森本毅郎・スタンバイ!」、「アクセス」などの番組を手がける。2006年に立ち上げた「文化系トークラジオLife」は、優れた放送番組に贈られるギャラクシー賞大賞を受賞(2008年)、同番組では「黒幕」としても活躍している。共著書に『文化系トークラジオ Lifeのやり方』、『文化系トークラジオLife』などがある。@Life954

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