「ストレスが消えても続く」不調の正体と対処法 心身症は体と心の両面から診察する必要がある

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ちょっとしたストレスに体が反応する人もいれば、体にはまったく影響されない人もいて、後者は一見、精神的に強いように思われる傾向にあります。しかし、体質の違いもあれば、実はストレスを抱えていても自覚しにくい性格のため、症状が悪化してから気づくといったケースも少なくありません。

ストレスや心の不調が原因で体の病気になることを、精神的に弱いからではないかと恐れたり、そもそもストレスの自覚がなく、「そんなバカな」と認めたがらないといったケースも少なくありません。とくに、それは男性に多い傾向が見られるようです。

実際、心療内科を訪れる患者の割合は、6対4~7対3で女性のほうが多いといわれています。その背景には、人に弱音を吐けない、悩みを打ち明けられない、といった男性に多く見られる気質的な特徴によるものだろうと推測されています。

また残念なことに、自殺者の男女比では、約7対3で男性が女性を上回っているという調査結果が出ています(厚生労働省、令和元年版自殺対策白書より)。

最悪の状況に至らないためにも、心身の不調に悩まされたら、早めに医療機関を受診してください。早期受診は、結果的に症状の早期改善にもつながります。

『心療内科医が教える 家庭でできるセルフメンタルケア』(徳間書店刊、書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

家族やパートナー、親しい友人などに胸の内をさらすだけでも、気持ちが緩和されることもあります。そうしたことは弱さではなく、必要なことなのです。

知っている人には話しづらいという場合は、公的な相談窓口を利用してみるのもよいでしょう。実際に訪れなくとも、電話相談が可能な窓口もあります。

いずれにせよ、1人で悩まず誰かに相談をすることが大切です。

産業医に相談するという選択肢も

最初から心療内科へ行くことに抵抗がある場合、会社勤めの人であれば産業医に相談するのも選択肢の1つです。

産業医とは、働く人の健康管理などを行う医師のことで、50人以上の社員がいる会社では、1名以上の産業医を選任しなければいけないことが法律で義務付けられています。

産業医に相談するなかで、必要に応じて心療内科を紹介してもらい、早期対応が早期改善につながったというケースも見受けられます。

山岡 昌之 医学博士、心療内科医、心療内科専門医、日本摂食障害治療研究所所長

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やまおか まさゆき / Masayuki Yamaoka

1947年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。1983年から国家公務員共済組合連合会九段坂病院内科に勤務。2007〜2013年同病院副院長。2013年4月より現職。日本心身医学会名誉会員。日本摂食障害学会功労会員。日本心療内科学会副理事長。日本摂食障害協会副理事長。医療科学研究所評議員、など。2010年第6回ヘルシー・ソサエティ賞(医療従事者部門)受賞、2013年国家公務員共済組合連合会「今井賞」受賞。
 

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