吉岡里帆「どんぎつね」が持つ「ほっこり」の威力 商品を独創的アプローチで表現したCMも好感

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吉岡の出演作では江崎グリコ『パピコ』、妻夫木聡らと共演する全国都道府県『ハロウィンジャンボ宝くじ』のCMがそれぞれ11位、15位にランクイン。前者は野菜のフローズンスムージー『パピコ パピベジ』を訴求するCMで、吉岡が「野菜のアイス? そんなのおいしいわけ……」と半信半疑でひと口食べた瞬間、「うんまっ!」と叫ぶといったストーリーだ。

吉岡のハイテンションな“ひとりノリツッコミ”を通してパピベジを初体験した際の驚きを印象づけ、モニターからは「これはぜひ買わなきゃ」「おいしいの?! と思うがちょっと試してみたい」と商品への関心を示すコメントが数多く見られた。

女性層の支持を集めた「トップ スーパーナノックス」

今期も上位には訴求力のあるタレントを起用したCMが目立った一方で、商品の特長を独創的なアプローチで表現したCMも見受けられた。ライオン『トップ スーパーナノックス』は二宮和也が従来の洗剤を引き合いに、リニューアルした商品のベネフィットを伝えるCMで好評価を獲得した。

トップ スーパーNANOX「脱ほとんど水洗剤」篇/30秒/ライオン

CMは二宮は「皆さんご存じのあの大きな洗剤の中身は、約7割が水だったんです」と、従来型の液体洗剤の成分について説明するシーンに始まる。すると4人の男女が目を丸くして驚きの声を上げ、「あんなに重かったのに?」「きちんと量ってたのに?」などと落胆する姿が映される。

そして二宮が海外の通販番組風にオーバーなジェスチャーで「まぁ、そうなりますよね、だから」と言うと、「脱!ほとんど水洗剤」のナレーションに合わせて全員で従来ボトルを背後に放り投げ、最後に二宮が「新ナノックスは約7割が洗濯成分で濃い〜の」などと新しくなった商品を紹介する内容だ。30~40代の主婦を筆頭に女性層から多くの支持を集め、初のトップ10入りを果たした。

モニターからは「『洗剤のほとんどが水』というコメントに衝撃を受けた」という声が大半で、「ナノックスは7割洗剤と聞いて試したくなった。汚れ落ちがどのくらい違うのか」「きれいになりそう」など新商品への興味を示す感想も見受けられた。

なお同商品は2016年から二宮をCMに起用しており、シリーズ開始時から一昨年までは「ニノが、ナノで、受けて立つ!」をコピーに、二宮が“汚れからの挑戦状”に書かれた難題を実験するCMを展開。パンダの着ぐるみの中のTシャツを洗い上げるといったコミカルで親しみやすい実証型のCMで好評を博した。

こういった“目に見えない洗浄力”の訴求から、今期はさらに進化を遂げ具体性のあるメッセージで勝負に出た。従来の液体洗剤の「約7割が水」という消費者にネガティブな印象を与えかねない事実にあえてフォーカスすることでメッセージに説得力を持たせ、リニューアルした商品の利点を際立たせたといえるだろう。

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