サステイナビリティの波が広がっている
──GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の調査では、東証1部上場企業の44%がSDGsの取り組みを始めていると。
去年くらいから一気に認知度が上がりましたね。SDGsと対で語られ、急拡大中のESG(環境・社会・企業統治)を重視する企業への投資市場を意識せざるをえなくなり、やらなきゃいけない度がグンと上がった。例えば、日清食品がカップヌードルの紙容器をさらに環境負荷の低い素材へ切り替え、それにサプライヤーが対応するように、去年から今年にかけてサステイナビリティ(持続可能性)の波がグンと広がっています。
ただ、SDGsを事業そのものの中に練り込んで稼ぐ戦略にはまだ至ってない場合が多い。環境に配慮してます、女性登用やってます、ガバナンス強化やってます……、これって屋台骨の組織の話。肝心の事業の中ではどうか。カップヌードルだって、食べるほどに健康になる、地球環境に貢献する、社会の格差を縮める、にはなってないですよね。
──え、そこまで広くですか?
企業は、利益創出と社会に対する「善」を同時に実現すべき、と僕は思っています。それが企業がSDGsに取り組む意義でもある。
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