「チーズタッカルビ」ブーム作った男の凄い商才 大事なのは「多少の浮き沈み」は気にしないこと
新大久保でいま最大のヒット商品はもちろん、ハットグだ。この韓国風のアメリカンドッグを求めて、というより写真を撮ってSNSに載っけるために、日本人女子が大挙する。
「韓国では前から、ハットグは手頃なジャンクフードとしてよく食べられてたんですよ。アメリカンドッグに砂糖をまぶして、ケチャップとかハニーマスタードとかつけて。1000ウォン(約100円)くらいで安くてね。それに伸びるチーズを入れたものが出て、SNS映えで人気になったのが5年くらい前かな。どんどん店が多くなって、具やソースもいろいろバリエーションが増えていったんです」と話すのは金泰林(キム・テリム)さん。
来日10年になるニューカマーだ。大人気ハットグ店のひとつ「アリランホットドック」を切り盛りする。大久保通りの路面店に立ち、「おいしいよー、食べてってねー」「おいしくなかったらお金はいりません!」なんて客を呼ぶ。中高生くらいだろうか、女の子たちが行列をなし、おじさんとしては居場所がなく、挙動不審におろおろしてしまう。そこへ店のアルバイトの韓国人のイケメンが、さわやかな笑顔でドッグを差し出してくれたのだ。
「ハットグ」が女子の心をつかむ理由
「店でいちばん人気のポテトレーラです」
中心の棒にモッツアレラチーズを巻きつけて、角切りのポテトを衣代わりにして揚げた、なかなかボリューミーなやつだ。店頭に置かれたココナツパウダーとか、きな粉とかをお好みでまぶすとおいしいのだという。
「あっ、ボクがやりますね。両方つけるのがおすすめなんです」
イケメンはかいがいしいのであった。あつあつのポテトレーラにパウダーをつけて、改めて「どうぞ」なんてやさしい笑顔。この街にハマる女子の気持ちが少しわかるような気がした。
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