ミラノ発ルフトハンザ航空の何とも凄い神対応 大雪の大幅遅延でも乗り継げた奇跡の思い出

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ここで一件落着となるのがふつうだが……さらに「事件」は続くことに……。

チェックインまではスムースだったが、搭乗口に着いてから再び問題が起きた。出発時間の変更が繰り返され、どんどん遅延が。

僕は慎重な方なので、乗り継ぎ時間は長めにとるようにしている。あのときも、フランクフルトでの乗り継ぎ時間は3時間くらいあった。

が、それでも足りなかった。ストライキの後遺症だろう。出発は遅れに遅れた。

ダメ元の交渉で…

やっとミラノをテイクオフしたとき、予定の乗り継ぎ便に乗るのはほぼ不可能と思えた。

乗り継ぎ便の出発時間前にフランクフルトに着くには着くが、どう考えても乗り継ぎ時間が足りない。

それがハッキリしたところで、僕はダメ元でチーフパーサーに掛け合ってみることにした。「乗り継ぎ便に乗れる手段はないか」と。

こんな交渉をする気になったのは、相手がルフトハンザ航空だから。日本の航空会社とルフトハンザ以外だったら、こんなことは初めからやらない。無駄だからだ。

期待どおり、そのチーフパーサーは真剣に対応してくれた。「難しいと思います」とは言いながらも、連絡を取り交渉をしてくれた。

「席に戻ってお待ちください」と言われて10分くらい経っただろうか。チーフパーサーが僕の席にやってきた。その笑顔をみて、僕は「やった!」と思った。

「フランクフルトに着いたら、いちばん先に降りられるよう準備しておいてください。その先は地上職員が誘導いたします。よかったですね!」と……最高の気分だった。

いちばん前の席だったが、誰よりも先に立ち上がり、家内共々感謝の意を伝えて機を後に。

機の扉の前で待っていた地上職員のアクションもキビキビしていた。

ボーディングブリッジを出てすぐ、非常口のような小さなゲートから外に。そして、梯子に近いような簡易タラップを降りると、小型バスが待っていた。

バスは直接乗り継ぎ便の待つゲートに向かい、同じような簡易タラップを上がったところでパスポート・チェック。そして機内へ。

ミラノからの便の席を立ち上がり、成田行きの便の席に着くまで……たぶん10分くらいしかかかっていないと思う。文字通り「あっという間の出来事」だった。

成田行きは定刻に出発した。何事もなかったように。

僕の人生、飛行機の旅はいやというほど重ねている。その間、多くの出来事に出会った。でも、これほどドラマティックで思い出に残る出来事はほかにない。

(文:岡崎宏司/自動車ジャーナリスト)

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