ミラノ発ルフトハンザ航空の何とも凄い神対応 大雪の大幅遅延でも乗り継げた奇跡の思い出
いつものように、ドゥオモでしばし静寂の時を過ごしてから街へ。
主要道路は除雪も進んでいて、ミラノは動き始めていた。クリスマス・マーケットも開き始めていた。
移動の予定はジェノバへの日帰り小旅行だけ。なので、大雪の被害は最小限で済んだ。
ところが、その先にスリリングな「事件」が。帰国前日の朝、ルフトハンザから「ミラノの空港職員ストライキで帰国便が飛ばない可能性がある」との連絡が入った。
フル回転で仕事をしていた時代なので焦った。帰国が1日遅れるだけでも、仕事にかなりの支障が出てしまう。でも、ここは、事態の好転を待つしかない。
夜になっても事態は好転しなかった。
気が重くなって、夕食もガレリアのカフェで簡単に済ませた。大雪の後遺症で、ガレリアも閑散としていた。
僕たちはカフェの前……大好きなオープンスペースに座っていた。真冬でもヒーターの近くならぜんぜん寒くなんかない。
で、そこで、思いがけないサプライズがあった。当時、ACミランに所属していたロナウジーニョがカフェの前を通りがかったのだ。
僕も家内もACミランが好きだったし、ロナウジーニョも好きだった……なので、本物が目の前を歩いていれば、当然反応する。
反応とはいっても、席を立ったわけでもないし、手を振ったわけでもない。ちょっと身を乗り出したくらいだったと思う。
でも、僕たちの反応に気づいたのだろう。ロナウジーニョが視線を向け、にっこり笑ってくれた。これは「宝物級」の思い出だ。
ちなみに、その日の昼、ACミランのショップに行き、ミラノっ子に「われらが不動のキャプテン」と呼ばれ愛された、パオロ・マルディーニのユニフォームを買った。
「飛びます!すぐ出発してください」
ミラノ発の予定は昼前だったが、飛ぶのか飛ばないのか……気になって早起きした。情報はホテル経由で入るので、起きてすぐフロントに電話を。
「進展はありません」「進展があったらすぐご連絡します」との答え。まあ、予想通りではあるのだが、結構ガックリきた。
労使交渉がまとまって飛ぶことになれば、ホテルを出なければならない時間が迫ってくる。
「もうダメだな」とは思いつつ、ホテルのチェックアウトも済ませて、未練がましく万が一の朗報を待った。
電話が鳴った。聞き覚えのあるフロントマンの声が、いきなりこう言った。「飛びます!すぐ出発してください。タクシーを待たせてありますから!」と。
タクシーの中でも気は急いていた。赤信号がとても長く感じられた。でも、空港に着いたときは30分程の余裕があった。ヤレヤレだ。