「排泄予測デバイス」手がける異色企業の正体 ラクダ型スタートアップとして海外でも展開

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比較的に順調に資金調達できている理由の1つは、「面白そうだけどよくわからない商品ではなかったから」だと中西社長が言う。ラクダ型スタートアップは、社会課題解決型が多く、実用性がある商品・サービスが多いが、DFreeのように、業界に詳しくない投資家にもわかりやすく説明し「共感」を得てもらうのが大切なのかもしれない。

しかし、そんな同社にも課題が存在する。コロナ禍で同社はCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)からの投資が9割減少し、今は苦しく、まさに砂漠にいるラクダのようなサバイバル状況になっている。また、同社商品は小型化で差別化しているが、競合他社からも類似製品を販売する動きが出てくるかもしれない。

withコロナについて、日米のヘルスケア事情に詳しいアメリカの投資家のDr. Takashi Kiyoizumi(清泉貴志)氏は、「アメリカは日本と違い、コロナ禍だからこそ、有望なベンチャーを割安(現在景気が悪いためベンチャーへの評価額も下がる)で投資できることが可能なため、投資がすぐ止まってしまう日本ではスタートアップは厳しい状況に陥りやすい」と指摘する。生き残るには資金調達力がいちばん問われる。また、いつでも次のステップ(M&A、IPO)に行けるように準備しておくことが必要だろう。

なお、スタートアップのグローバル化がなかなか難しいと言われるが、日本だけではなく、アメリカや海外で資金調達するのも1つの手段だと再認識することも大切かもしれない。例えば、同社はアメリカで設立し、サンディエゴに支社を有するが、本社を日本に置く、いわゆる「日本企業」だと、遠くて把握や管理がしにくいため、アメリカの投資家から敬遠されてしまう。

思い切った海外での挑戦も

Dr. Takashi Kiyoizumi氏は、「中国・韓国のスタートアップは、アメリカにヘッドオフィスを設立する。本体がアジアにもかかわらず、アメリカにヘッドオフィスがあり、投資家のすぐ近くにあるということだけで、アメリカでの資金調達を積極的に行っているし、規模もメンターなどのサポートの質も違う」と話す。

withコロナの時代で、グローバル展開には難しさもある。とはいえ、長期的な目線で考えると、Triple Wのようなヘルスケア関連のスタートアップにとって、行き詰まりやすい資金調達、高い生産コスト、脆弱な起業支援、といった国内の環境を考えると、思い切って海外で本格的に挑戦してみる価値もあるのかもしれない。

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