台湾「超天才」デジタル大臣が語る教育の未来 今、私たちは教育現場で何ができるか

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【後編】
台湾デジタル大臣「唐鳳」を育てた教えと環境
 より抜粋

――前回は、唐鳳さんが考えるデジタル教育の本懐についてお聞きしました。ここからは唐鳳さんの個人的なことについてお聞きします。唐鳳さんは幼い時から読書家だったと聞きました。座右の書、影響を受けた本というのはありますか。

唐鳳:最も影響を受けた本があるにはあるのですが、とても推奨しにくいですね。合計16万項目ある『再編国語辞典』なんですよ。辞典の良いところは、自分が直接的な体験をしていなくても語意を理解できるという点です。

以前、私は仲間と一緒に『萌典』(https://www.moedict.tw/)という辞典を作りました。これは台湾の文部科学省に当たる教育部が、日本語の「萌え」と「萌える」(芽生える)という意味を兼ねて作ったものです。ここでは、紙の辞書のように時間をかけて調べるのではなく、さまざまな機能を設計し、提供することで中国語(華語)や台湾語、客家語、さらには台湾の原住民(注1)の言葉などをすべて同じインターフェースに収めて調べることができます。

つまり1つの言葉を学ぶときに、多くの異なる言葉を同時に学べるようにしたわけです。そうすることで、自分たちの言語、文化のみで考えるというこれまでの考え方を崩し、言語、文化の枠を超えた学習環境を実現しました。これはとても大事なことです。

誰もが多くの文化に精通することは不可能ですが、自分の身の回り、例えば台湾においても、これほどまでに多様な文化が存在していることを、まず『萌典』で知り、その事実に慣れていけば、おのずと心を広く持ち続けることができるのではないでしょうか。

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オードリー・タン特別インタビュー

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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