「キングダム」に学ぶ聞き上手な部下になる方法 自分の主張をしがちにならない事も大切だ
とりわけ女性コーチたちをシビれさせたのは、秦国最大の関所・函谷関(かんこくかん)で、合従軍と戦ったときのセリフです。
副将として仕えた王騎の死後、その軍勢を引き継いで将軍となった騰は、函谷関で楚(そ)将・臨武(りんぶ)君(くん)に一騎打ちを仕かけます。臨武君は騰を甘く見ていましたが、追い詰められたのは自分のほう。そこで臨武君は、思わず問います。
「…き…貴様は一体、ゴフッ、何者だ!」(『キングダム』第26巻)
騰の答えがこれです。
「天下の大将軍だ!」(同書)
ジョークではありません。場面はまさに命をかけた敵将との一騎打ち。その場で堂々と、真顔で名乗った「天下の大将軍だ!」は、騰の本心以外の何ものでもないのです。
突出した知力と武力を併せ持つ王騎将軍と長年ともに戦場で過ごし、王騎の裏も表もすべて知り尽くした騰は、もはや王騎将軍と一体化しています。王騎将軍の副将という大役を十二分にこなしていた騰は、いざとなればいつでもナンバー1になれる実力と覚悟を蓄えていたのです。
関係性を改めて見つめ直してみる
王騎軍を譲り受けた騰がすぐさま目覚ましい活躍を見せることができたのは、常に王騎将軍と一つになり、同じ景色を見ていたからにほかなりません。
No.1とNo.2は、両者が入れ替わってもまったく問題が起きないほど実力が伯仲し、目的を共有できることが1つの理想像ですが、王騎将軍と副将・騰は、まさにその典型と言えます。
王騎と騰のようなNo.1、No.2のコンビネーションを、ビジネスの現場で実現するのはなかなかむずかしいかもしれません。ビジネスの種類、そのときのプロジェクト、お互いの性格などを考慮しながら、最も有効的、かつ友好的な関係性を探っていけばいいと思います。
ただ、魅力的な人は、誰かのNo.2の存在となり、そのNo.1をジャッジすることなく、同じ景色を観ながら、一体化し、孤独にさせない力がある人だと言えます。そんな誰かのNo.2になれるためにも「コミュニケーション力」を、スキルではなく、あり方、関係性から見直し、高めていくことが、とても大切なのだと考えています。
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