カフェ戦国時代、スタバが再び「満席」になる

コロナ禍でもドトールやコメダとここが違う

日本国内のカフェチェーンで1000店を超えるのは、スタバと「ドトールコーヒー」の2チェーンのみ。ドトールコーヒーの店舗数が横ばいが続く中、カフェ業界では「スタバ一人勝ち」が強まっているのが現状だ。

とはいえ2位のドトールも、グループ全体で見れば合計2010店(2月末時点)となり、スタバを上回っている。運営するドトール・日レスホールディングスは、1100店のドトールコーヒーだけでなく、より単価の高い「エクセルシオールカフェ」を都市部で121店を展開するほか、郊外を中心にハンドドリップコーヒーとスフレパンケーキを売りにした「星乃珈琲店」を253店展開している。

路面店(通りに面した1階の店舗)が中心のドトールコーヒー、エクセルシオールカフェに加えて、より集客の難しい空中階(ビルの2階以上の店舗)に出店するための新業態「ドトール珈琲農園」も、現在12店舗まで増強。次の成長軸として試行錯誤を重ねる。あくまでカフェ、喫茶店という軸を維持しながら、立地や物件に応じて最適な業態を出店できる強みを生かす考えだ。

駅から離れ、地元オーナーがFC展開するコメダ

現在3番手のコメダ珈琲店(以下、コメダ)も、スタバに負けず劣らず成長著しい。コメダは1968年に名古屋の喫茶店として生まれた。名古屋名物のモーニングサービスは、スタバやドトールにはない特徴だ。開店から午前11時までの時間帯にドリンクを1杯注文すると、トーストとゆで卵が無料でついてくるというもの。雑誌や新聞も多く取りそろえられており、モーニングと新聞を目当てに毎朝のように来店する固定客も多い。

コメダが関東地方に初出店したのは2003年と、ほかのチェーンと比べると比較的最近である。2012年にはまだ435店だったが、毎年50~70店の果敢な出店を続け、今年2月には896店となった。わずか8年で倍増する急成長ぶりといえよう。

ただし、積極的な新規出店を続けるスタバとコメダだが、両社の戦略は驚くほど「正反対」だ。コメダの主要立地は、駅周辺や国道沿いなどの一等地ではなく、駅から少し離れた場所や住宅街。工場でコーヒーをドリップして各店舗に配送する仕組みを採用している。スタバが大半の店舗を自社の直営で運営するのに対し、コメダは約95%の店舗が地元のオーナーによるフランチャイズ展開だ。

スタバと同様、コメダもさすがにコロナ禍の4月には、既存店売上高が46.9%減(前年同月比)と低迷。が、郊外中心の立地が奏効して立ち直りは早く、8月には7.5%減(同)まで持ち直した。今年度も店舗数を30店程度増やす見込みで、このペースで出店を続けられれば、いずれ国内2位のチェーンになる日も近そうだ。真逆とも言える戦略を採るスタバとコメダの両社がカフェ市場を引っ張る存在になっている。

そのほか、スタバと同時期に日本に上陸したタリーズコーヒー(タリーズコーヒージャパン)、昼はカフェ、夜はバーとして運営する特徴を持つプロント(プロントコーポレーション)も、店舗数を拡大中である。

コロナショックからの回復は一様でなく、立地やブランド力、カフェ業界は各社の取り組みで大きく差がつきそうだ。『会社四季報 業界地図2021年版』とともに、最新の業績予想や取り組みを掲載した『会社四季報』2020年4集秋号についても、ぜひ参考にしていただきたい。

次ページこれがカフェ業界の最新『業界地図』だ
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