「メンズメイク」にハマる30代男性が増えるワケ 予想外に広がる日本人男性のメイク市場
「最初に買ったのは、1300円くらいのメンズBBクリーム。肌がきれいに見えるし、思ったよりもナチュラルで、『化粧しました感』がない。手軽だし、自分の顔が変わるのが楽しくなって、一気にメンズメイクにハマっていきました」(小笠原さん)
もともと凝り性だという小笠原さん。インスタグラムの美容アカウントをチェックしながら美容について独学で学び始めた。背景には、「男性が化粧について聞くのは恥ずかしい」という気持ちもあったそうだ。
最初は失敗することも多かったというが、やっていくうちに、コンシーラー(ファンデーションでは隠しきれないクマ、シミ、ニキビをカバーするアイテム)や眉を書くペンも使いこなせるようになったそうだ。毎月の美容代は、5000円ほどだという。
実際に使っているアイテムを見せてもらうと、「THREE(スリー)」の化粧水や、「KATE(ケイト)」のアイブロウバウダーなど、こだわりのグッズがずらり。メイクが好きな女性が厳選したような、ドラッグストアで買えるリーズナブルな商品と、デパートのコスメ売り場にある値の張る商品がミックスされたラインナップだ。最近は人に相談もするようになったといい、「チャコット」のパウダーは女友達にすすめられて購入したという。
在宅勤務中も、化粧が気分の切り替えになる
新型コロナウイルスの影響により、リモートワーク中だという小笠原さん。オンライン会議が続き、画面を通して自分の顔をよく見るようになったのも、メイク沼にハマった理由の1つだという。
「外出自粛や在宅勤務が続くと、オンオフの切り替えが難しい。大事な会議のときは気合いを入れるためにメイクします」(小笠原さん)
メイクによってコンプレックスが和らぎ、自分に自信がついたという小笠原さんは、
「今では、化粧をした後の顔が自分だと思っています。男性の自分が駅や商業施設のお手洗いでメイク直しをしていると、ジロジロ見られてしまう。最初は恥ずかしかったけれど、『男が化粧するのは変』という偏見のほうがおかしいのではないか? と考えられるようになり、今では気にしていません」
と力強く語ってくれた。
「メイクすると気分も上がるし、違う自分になることで、仕事モードに切り替わるんです。メンズメイクはあくまで、オプション。だけど、毎朝早起きしてお化粧をしなければいけない状況を強いられがちな、女性は大変だなと感じました。それぞれが、自由なペースでメイクを楽しめる空気になればいいなと思います」(小笠原さん)
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