共感ができない男は「息子の母」が量産する現実 「愛の不時着」ヒョンビンのように子を育てる法
ゴール指向問題解決型の回路は、事実を客観的に把握し、いち早く混乱を鎮めるための回路。コミュニケーション・スタイルは、指摘です。今、目の前にいる対話相手の問題点を指摘して、解決を急ぎます。
だから、問題解決型の人に、今日の大変だった出来事を話してなぐさめてもらおうと思っても、「きみもこうすべきだったんじゃないの」「向こうにも一理あるな」「そもそも、きみは」なんて言い出すわけ。
しかしながら、この話法は、「荒野で危険な目に合ってきた男性脳」には大切なもの。目的をすばやく達成するためには、有利な話法です。
日本の子育ては、目標に満ちてますよね。だから、母親も子どもに、どうしても問題解決型の話法で話しかけがち。
けれど、こちらの話法しか知らないで育つと、「月がキレイだよ、見た?」「それは大変だったね」「大丈夫?」「あ、僕の好きなナスのカレーだね」「それ、いいね」なんていうことばは永遠に出てきません。
夫に思いやりがないと感じるのなら、夫は、ゴール指向問題解決型の会話で育っているはず。息子さんに、同じ轍を踏ませますか?
夫にされたつらいと感じる会話を息子にしないこと
男友達との会話は基本ゴール指向問題解決型なので、男の子にとって、共感型対話の訓練はママだけが頼り。「息子の母」の責任は重大なんです。
共感型の対話の始め方は、褒める、ねぎらう、感謝する、いたわる、頼る。
「それ、いいね」「カッコいいじゃん」「そんなこともできるの?」と褒める。
「よくやったわ」「がんばったね」「たいへんだったでしょ」とねぎらう。
「宅急便、受け取ってくれたのね、ありがとう」「お米運んでくれたの? 助かる〜」と感謝する。
「暑かったでしょ、大丈夫?」などといたわる。「味見してくれない?」「どっちがいいと思う?」「9月新入学って、どう思う?」と頼る。
学校のことを話してくれたり、「どう思う?」に意見をくれたとき、「それは違うんじゃない」と思っても、いきなり否定しないこと。「そりゃ、納得できないよね」「その気持ち、よくわかる」とまずは気持ちを受け止めて。
話は簡単。同じことを、夫にされたらつらいと感じるような会話を、息子に向けてしないこと。それだけ。めんどくさいかもしれないけど、将来息子に、あふれるほど思いやりの言葉を言ってもらえますよ。
(取材・文/宮原まりこ)
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