1964年のラスベガス、思いもかけない旅の記憶 夜の砂漠に浮かび上がる彼の地は幻想的だった
1964年、降って湧いたラスベガスへの旅
僕が初めてLAに行ったのは1964年。56年前のこと。
LAの拠点にしたのはサンタモニカだが、とても開放的でフレンドリー。英語もろくに話せない僕を、多くが温かく受け容れてくれた。
サンタモニカの隣町であるベニスビーチに友人が住んでいたが、彼が紹介してくれたアメリカ人女性を起点に、アッと言う間に友達の輪は拡がっていった。
彼女の名はエレイン。50才くらいで、友人曰く「日本大好きで、面倒見いいから紹介するよ」とのことだったが、そのとおりだった。
初めての週末、彼女の家で僕のためにパーティーを開いてくれた。そして、パーティーに集まった多くの人たちを紹介してくれた。
ラスベガス行きは、そんな流れで知り合った男性に誘われてのこと。30代半ばくらいで、広告代理店関係の仕事をしていると聞いた。クルマ好きということで、すぐ打ち解けた。
名はロバート。すぐ「ロブ」と呼ぶことに。ファミリーネームは忘れた。
エレインの家には毎日1度は寄っていたが、パーティーで紹介された数日後、エレインからこう告げられた。「ロブから連絡があって、ラスベガスに遊びに行くんだけど、一緒に行かないか?」と……。
僕は間髪入れずに、「行きます。連れて行ってほしいと伝えてください!」と答えた。
ラスベガスにはとても行きたかったのだが、予算の関係もあって諦めていた。そこに願ってもないお誘い!!
翌日、エレインの家でロブと会った。「週末1泊でGFとベガスに遊びに行くんだ。なので、ホテルは別に部屋をとってほしい。ベガスに着いたら基本別行動で朝食だけ一緒……で、いいかなぁ」とのことだった。
むろん異論などない。基本別行動の方が自由に動き回れるので、むしろ願ったりだ。