日本の失業率「2.9%のはずはない」という根拠

休業者をカウントすれば数字はハネ上がるはず

今の失業率は2.9%でなく、6.2%だという考え方がありうるワケは?(写真:Graphs/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第26回。

法人企業統計によると、今年4~6月期の企業の人員数は前年同期比234万人減(6.5%減)。これからすると、失業率が大きく上昇しているはずです。しかし、7月の労働力調査では、失業率は「わずか」2.9%でした。この差は、「休業者」をどう捉えるかによります。仮に休業者を失業者とカウントすれば、失業率は6.2%になります。

企業利益が激減

9月1日に発表された4~6月期の法人企業統計調査によると、全産業の売上高は前年同期比17.7%減少し、営業利益は64.8%減少しました。

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製造業は、売上高が20.0%減、営業利益は91.2%の減です。輸送用機械は、売上高が37.2%減、営業利益が実に218.1%も減少しました。つまり、昨年の黒字額を超える赤字額となったのです。

石油・石炭、鉄鋼、金属製品、業務用機械、輸送用機械、運輸業・郵便業では、赤字になっています。輸送用機械の赤字額は8720億円、運輸業・郵便業の赤字額は1兆0101億円という巨額のものです。

日本企業は極めて深刻な事態に直面しています。

企業はこの状況にどう対処しているのでしょうか?

売上高の急減に直面した企業は、売上原価を前年同期比17.3%減と、ほぼ売上高減少率と同率だけ削減しました。

他方で、販売費および一般管理費は、7.6%の減少にとどまっています。

ここでの「売上原価」とは、商品の仕入れ高、製品を製造するために要した材料費や製造ラインの人員の賃金、そしてサービスを行う人員の人件費などです。

「販売費および一般管理費」とは、広告宣伝活動や販売促進活動などにかかった費用や人件費、および、企業全体を運営し管理するために要した費用です。

企業は、現在のように売上高が大きく落ち込んだ事態はいずれ元に戻ると考えて、管理部門は手を付けていないために、販売費および一般管理費の削減率が低いのでしょう。

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