事務作業を自動化する「Excel×Python」の威力 人間がやる作業をプログラミングで再現する
しかし、マクロには次のような欠点があります。
・複雑なプログラムだと動作が遅くなる(1回で数十分かかることも)
・Excelがバージョンアップするとプログラムが使えなくなることがある
・WindowsとMacの間の互換性がない
これらの欠点は、場合によっては致命傷になります。
「せっかく長い時間をかけて勉強して作ったマクロが使えなくなった」「担当者が異動になったときに後任がうまく活用できない」という悲しい事態が多くの会社で起こっているのです。
コードが短くて簡単、しかも動作が早い
そこで、VBAに代わるExcel業務のRPAツールとして非常に注目されているのが、本書で徹底解説するプログラミング言語、「Python」です。
Pythonは他のプログラミング言語と比較してさまざまな強みを持っています。ここではExcelで行う仕事を全自動化するツールとしてのメリットに絞って述べていきましょう。
Pythonの大まかな強みは、次のようなものです。
・プログラムコードが短い!
知識が少なくても記述しやすく、ミスが少ない。他の人がコードを見たときに理解しやすく、修正も簡単。
・動作が早い!
プログラムを実行する間、パソコンの前で長時間待たなくていい。プログラムを書いたらすぐ実験できるので、実証や挑戦も手軽。
・ライブラリが豊富!
さらにコードをシンプルにする役に立つうえ、コードがわからなくてもさまざまな用途に拡張してプログラムを進化させられる。
・Excelのアップグレードに振り回されないで使える!
・WindowsでもMacでも共通して使える!
なおライブラリとは、ファイルの入出力、ネットワーク処理など、よく使う機能をいちいちプログラミングしなくてもいいようパッケージにしたものです。Pythonの標準ライブラリと外部ライブラリの2種類があります。
コードが短くて簡単で、動作が早い。加えて汎用性も拡張性も高くてさまざまな状況で使える。これが、Pythonのすごさです。
今までメジャーだったVBAが抱えていた欠点をすべて克服しているだけでなく、Pythonは今後仕事で長く使っていくツールとして可能性に満ちています。メガバンクなどの大企業がホワイトカラーの大量リストラを表明して仕事の自動化を急ピッチで進めているなか、ビジネスパーソン、特に事務作業を多く抱える人が生き残るために覚えておかない手はないブログラミング言語なのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら