総合ランキング3位は川崎市。2018年版に続いて「若者完全失業率」「正規雇用者比率」「製造業労働生産性」が1位となるなど、仕事分野でトップの座を守っている。
所得水準も上位をキープしており、安定した雇用環境に支えられ、市民が豊かな経済活動を行っていることがうかがえる。
健康分野ランキングは仙台市がトップ
続いて、基本指標と5分野のランキングについて解説する。
基本指標ランキングでは、1位がさいたま市、2位が横浜市、3位が浜松市となった。さいたま市は「人口増加率」が政令指定都市の中でも高く、「勤労者世帯可処分所得」も1位だった。
稼働年齢層の転入が多く、若く活気にあふれた街づくりが奏功。結果として、「財政健全度」もトップ5をキープしており、市民経済の豊かさが安定した財政基盤を支えているとみられる。
続いて、健康分野ランキングでは、1位が仙台市、2位が浜松市、3位が千葉市となった。過去2回とトップ3の順位に変動はない。
仙台市は、対象者に直接、健康診査の受診を勧める取り組みを継続。「健康診査受診率」で住民の約半数が受診しており、3位以下と10ポイント以上の差がついている。「生活習慣病による死亡者数」や「平均寿命」も上位5位圏内で安定している。
文化分野ランキングでは、1位に京都市、2位に神戸市、3位に福岡市が入った。神戸市、福岡市はいずれも海外からのアクセスが良好で、インバウンドの増加が影響しているとみられる。
京都市は神社仏閣など日本を代表する文化財を有し、国際的な文化都市としての評価が高い。「姉妹都市提携数」「国際会議外国人参加者数」などの指標が3回連続で1位。「教養・娯楽支出額」も1位となり、市民の余暇活動も充実している。
仕事分野ランキングは、1位川崎市、2位名古屋市、3位広島市の順。川崎市は「製造業労働生産性」が政令指定都市でトップ。「若者完全失業率」「正規雇用者比率」「女性の労働力人口比率」も1位で、製造業の経営基盤が雇用の安定につながっている。
生活分野ランキングでは、1位が新潟市、2位が浜松市、3位が静岡市だった。新潟市は「持ち家比率」で1位、「一人暮らし高齢者率」で2位と、住民が地域に根ざした生活基盤を有している。「生活保護受給率」の低さも上位で、家族や地域社会の中で互いを支え合う住民性が、生活困窮の防止に寄与しているとみられる。
教育分野ランキングでは、1位に京都市、2位に新潟市、3位に熊本市が入った。京都市は「大学進学率」が3回連続で1位となっており、2020年版では20市平均と比べて10ポイント以上高かった。「教員一人あたり児童生徒数」の少なさ、「義務教育費」の高さ、「図書館・博物館等施設数」の多さから、充実した教育環境が整備されていることが読み取れる。