池上彰が解説「総理大臣という仕事の基礎知識」 分刻みで予定をこなすハードな「役割」の実際

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(イラスト:ケン・サイトー)

多忙な日々を送る、日本の総理大臣の「役割」は、大きく3つに分けられます。

1つ目は、「内閣のトップ」として国の方針を決めることです。「内閣」とは「大臣たちの集まり」。日本の政府として大事な方針を決めるときには、内閣の会議である「閣議」を開き、正式に決定します。総理大臣は、この閣議に参加する大臣たちを任命します。大臣に不祥事などが起きたとき、総理大臣はその大臣を辞めさせる(罷免)こともできます。

2つ目は、「政党のトップ」という役割。総理大臣は、国会議員の多数決で選ばれます。通常は、国会の与党第一党のトップが総理大臣に選ばれることになります。

3つ目は、「日本のトップ」という役割。例えば、国民がノーベル賞を受賞したり、オリンピックで金メダルを獲得したりしたときなどには、その栄誉をたたえます。

総理大臣の「任期」

総理大臣は、なぜ国会議員が選ぶことになっているのか。それは、総理と国会との関係を重視しているからです。

総理は原則として「与党第一党のトップ」ですから、内閣が法案を提出すれば、与党第一党の議員は全面的に協力します。これで、総理と国会の関係は良好となり、総理の仕事はスムーズに進むと期待できるわけです。

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