「副業コンサルを見下す」本業コンサルの勘違い なんちゃってコンサルで終わらないための秘訣

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最近、副業ブームを受けて副業を紹介するサイトがたくさん誕生しており、サイトに登録するのも一つの方法です。ただ、サイトにはたくさんの副業希望者が登録していますし、利用者は「過去の実績」を重視してコンサルタントを選ぶので、新たに副業で始めたコンサルタントがサイトで受注するのは容易ではありません。やはり、手間・時間はかかりますが、自分で広告し、顧客開拓するのが賢明でしょう。

広告というと世はSNS全盛。しかし、コンサルティングの顧客は企業なので、SNSはあまり効果がありません。しっかりしたホームページを作り、サービス内容や実績などを記載して、専門性をアピールすることが必要です。さらに、専門誌への記事の寄稿、無料セミナーの開催などにも取り組みたいところです。

「何でもやります!」は存在感をなくす

専門家としてのブランディングも大切です。顧客はコンサルタントに、専門スキルを求めます。コンサルタントは、自分の専門性を明確にしなくてはいけません。「私は生産技術のプロ。工程改善ならお任せ」といったブランディングができると、断然有利。

ところが、(副業に限りませんが)仕事欲しさに、「何でもやります!」と手を広げるコンサルタントが目立ちます。「生産技術のプロ」のはずだったのに、「マネジメント教育も任せてください」「市場調査もお手伝いしますよ」とアピールする具合です。

手を広げると、とりあえず顧客・収入は増えます。しかし、やがて「何をやっているのかわからない」「何でも屋」という市場の評価になり、長い目で見て存在感を失ってしまいます。

また、コンサルタントは、ある企業で案件を実施したらそれで終わりにせず、その社内の他の問題を探って、業務を広げていくという動きをします。ただ、そういう動きが逆効果になる場合もあります。

<ケース2:顧客から反感を持たれた須藤さん>
電機メーカーの人事部に勤務している須藤さん(仮名)は、1年前からある建設会社で人事評価制度を改定するコンサルティングをしていました。コンサルティングを通して須藤さんは、同族経営の建設会社の保守的で活力に欠ける組織風土が問題だと考えました。そこで経営陣に「組織体制や組織土を改革するプロジェクトをやりませんか?」と次のコンサルティングを提案しました。ところが、経営陣からは「そういうことには関心ありません」という返答でした。同時に、まだ進行中だった評価制度改定のコンサルティングも打ち切りになってしまいました。

経営陣は、須藤さんの提案の何が不満だったのでしょうか。提案内容よりも、人事という須藤さんの専門領域を超えて経営全体の提案をしたことに対し、経営陣は「経営をしたことがない一介のサラリーマンが偉そうに」と反感を持ったようです。

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