日経平均、15円高の1万4304円で終了 日銀展望リポートには早くも失望感
[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に反発した。日銀が金融政策の現状維持を決定したと伝わると、材料出尽くしで日経平均は急速に上昇したが、日銀展望リポートへの期待は低く、その後は再び上げ幅を縮小した。
また、黒田東彦日銀総裁の会見が引け後に予定されており、様子見ムードが広がる中で商いは大きく膨らまなかった。
前日の米株高を受けて日経平均は反発して始まったが、午前の取引終了時間にかけて、急速に上げ幅を縮めた。すでに市場では、以前から「追加緩和見送り」との見方が大半を占めていたが、一部の市場参加者はサプライズを期待していたという。アイザワ証券・投資リサーチセンター長の飯田裕康氏は、午前の急速な下げについて「追加緩和なしとの確信が強まり、サプライズを信じていた人たちの一縷(いちる)の望みが断たれた格好で売られた」と説明した。
日銀が金融政策の現状維持を決定したと伝わると、日経平均は材料出尽くし感から急反発。ただ、引け後に発表される日銀展望リポートに対する期待は低く、早くも失望感が意識されたことで、上値は重かった。午後3時半からの黒田東彦日銀総裁の会見を前に売買を手控える市場参加者もおり、東証1部の売買代金は1兆9094億円と、12営業日連続で2兆円を下回った。
きょうの日銀総裁会見は、前回に続いてインターネット上などでリアルタイムの映像を視聴することができる。内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏は「前回の会見とは異なり、今回はそもそも期待感も高くない。前回ほどのネガティブ材料にはならないだろう」と見ている。
個別銘柄では、京セラ<6971.T>が反発。同社は28日、2015年3月期の連結営業利益(米国基準)が前年比12.0%増の1350億円になるとの見通しを発表した。売上高は同9.2%増の1兆5800億円と、2期連続で過去最高を予想する。増収増益予想を好感した買いが先行した。また、自社株消却を発表したエンプラス<6961.T>や自社株買いを発表した東映<9605.T>、大東建託<1878.T>などが後場買われた。
半面、NEC<6701.T>は続落。28日、2015年3月期の連結営業利益が前年比13%増の1200億円と減収増益になるとの見通しを発表したが、市場予想(ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト11人の予測平均は1269億円)を下回ったため、嫌気売りが出た。
東証1部騰落数は、値上がり753銘柄に対し、値下がりが919銘柄、変わらずが136銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 14304.11 +15.88
寄り付き 14393.51
安値/高値 14275.69─14421.22
TOPIX<.TOPX>
終値 1162.44 +1.70
寄り付き 1169.15
安値/高値 1160.65─1170.31
東証出来高(万株) 201962
東証売買代金(億円) 19094.15
(梅川崇)
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