■話題沸騰のチョコレートスパークリング
1月19日の発売のサントリー「チョコレートスパークリング」が話題だ。実は話題に乗っかるのは嫌いじゃない。
まずは月並みに試用レポートから始める。封を開け、グラスに注いだ瞬間から強烈なチョコレートの香りが広がるのに驚かされる。飲んでみると甘い味わいと香りで本当にチョコレートを食べている(飲んでいる)ような感覚に陥る。それでいて、成分表記の注意書きを見ると「チョコレートは使用してしておりません」とある。スゲー、サントリー。
……と、これまた月並みに、様々な人がBlogやSNS、Twitterで書いているような感想を抱いた筆者だが、気になる。サントリーの狙いは何だろうか。
昨年12月22日に発表された、サントリーのニュースリリースを見ると、バレンタインシーズンにぴったりの、新しい味わいの炭酸飲料ですとある。間違いなく、季節限定商品。
季節限定の炭酸飲料といえば、サントリーがペプシブランドで年1~2回展開する「変わり種ペプシ」はすっかり市場に定着したといえるだろう。昨年は「和」テイストにこだわって、「しそ」と「あずき」であった。その味には賛否両論(筆者は結構好きだ)あるものの、サントリーの担当者はメディアの取材に対して「(話題づくりのためなので)2本目を買ってもらおうと思ってはいない」と言い切っている。
変わり種ぺプシの売上目標は30万ケース。ペプシブランド全体の目標販売数3000万ケースからすると、わずか1%しかない。しかも、ペプシブランドを使用するため、米国ペプシコとの調整は繁雑を極め、商品化まで1年以上を要するという。
話題づくりを手っ取り早くやるには、サントリー独自ブランドで展開することだ。今回の「チョコレートスパークリング」に先行すること約2カ月。11月2日にニュースリリースが配信され、同24日から期間限定された「ラブモードジンジャー」という商品をご存知だろうか。リリースには、“クリスマスムードが高まる季節に、恋愛気分を盛り上げる大人の炭酸飲料”をコンセプトに開発した、カロリーゼロのジンジャーエールですとあった。派手なボトルのパッケージと、ピンク色のジンジャーエールらしからぬ色合いが多少話題になったものの、今回のチョコレートスパークリングほど大きな話題にはならなかった。
そして恐らく、2カ月のタイムラグであれば、この二つの商品はほぼ同時に商品開発が行われていたはず。今回のチョコレートスパークリングの成功によって、話題づくりという目的からすると、「一勝一敗」という結果だったというところだろうか。
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