コロナ後の「損害保険ビジネス」はどう変わるか

営業は非対面化、事故の示談対応もウェブで

緊急事態宣言後、東京・浅草の雷門周辺は観光客の姿が消えた(撮影:梅谷秀司)
日本の損害保険業界は3メガ損保と呼ばれる巨大な保険グループのシェアが8割以上を占める寡占状態になっている。
3メガの一角であるMS&ADインシュアランスグループホールディングスは、傘下に三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の2損保を擁している。緊急事態宣言下では、約7割の社員がテレワークに移行。宣言が解除された後も約3割がテレワークを続けている。
MS&ADの原典之グループCEOにアフターコロナの損保ビジネスについて聞いた。

ビジネススタイルが大きく変化

――新型コロナは損保ビジネスにどんな変化をもたらすのでしょうか。

リモートワークが広がり、人々の非接触志向が高まっており、業務にデジタル技術を取り入れる動きが加速するだろう。損保業務でいえば、保険の見積もりや事務手続きなどがオンラインで完結したり、保険を販売する代理店がリモートで顧客に保険商品を薦める局面が増えていきそうだ。

当社では近年、業務のデジタル化に大きく舵を切っており、保険会社と代理店を結ぶオンラインシステムの刷新が2020年度中にほぼ完了するとともに、三井住友海上とあいおいニッセイ同和の共同損害サービスシステムが2020~2021年度にかけて本格的に稼働する予定だ。

――緊急事態宣言の最中は対面での営業活動が制限されました。

緊急事態宣言中は約7割の社員がテレワークに移行し、解除後も3割が在宅で業務を行っている。代理店への営業など、対面中心だった業務もリモートに移行するなど、ビジネススタイルが大きく変わった。

ただ、こうした中で、日常業務の無駄を発見したり、対面が前提となっていた業務が非対面でも可能だとわかるなど、新たな気づきを得られたことは大きかった。リモートでの営業活動は、「代理店を訪問すること自体が仕事になっていないか」などと見直すきっかけになった。

交通事故被害者との示談交渉などは従来、対面でなければ難しいとされていたが、軽微な事故対応の場合はウェブでも可能なことがわかった。

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