「新型レクサスLS」冬発売でも7月に発表した訳

コロナ禍でスローダウンする自動運転開発

Lexus Teammateはドライバーの監視が必要であるため、いわゆる自動運転レベル3ではないが、それでもハンドルから手を離す、いわゆる“ハンズ・オフ”が可能であることを意味する。具体的な技術などの詳細は公表されていないが、先行する日産「スカイライン」の「プロパイロット2.0」と同等の機能だろう。

運転支援システムの進化という大きな話題を提供するLSのマイナーチェンジだが、実際に販売されるのは2020年冬。つまり、数カ月も先の話だ。では、なぜトヨタはそんな先のマイナーチェンジを7月に行ったのだろうか。ここから先は憶測となるが、筆者による考えはこうだ。

7月の発表は「トヨタの生真面目さの結果」である。

そもそも、2020年7月は、「東京2020オリンピック」が開催される月であった。それにあわせて、自動車業界はさまざまな提案を予定していた。端的に言えば、最新の「自動運転技術」の披露だ。

東京オリンピックで盛り上がるはずだったが…

トヨタは、レベル4(システムが完全に運転を代行する)自動運転車の一般向け同乗試乗会を7月から9月にかけて東京都内で開催する予定であった。また、オリンピック選手村などに自動運転システムを搭載した新型EV「e-Palette(東京2020仕様)」を走らせる計画もあった。

Autono-MaaS専用EVとして発表された「e-Palette(東京2020仕様)」(写真:トヨタ自動車)

さらに言えば、夏ごろにはライバルであるホンダから世界初のレベル3(走行中にシステムが一時的にでも完全に運転を代行する)の量産車を発表するという噂もある。つまり、この夏は、オリンピックに合わせて自動運転の話題で盛り上がる予定だったのだ。LSのマイナーチェンジも、その一助となるはずだったのだろう。

ところが、年初からのコロナ禍によって状況が一変。オリンピック関連の話題は、すべておじゃんとなった。それ以外の自動運転の話題も、すっかりトーンダウンしてしまったのだ。そんな中、レクサスLSの発表だけが、予定通りに粛々と行われた。これが今回のレクサスLSの時期外れにも見える発表のあらましではないだろうか。

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