NYタイムズが「デジタル拠点」を韓国に移す訳

アジアにおける重要拠点に東京は選ばれず

先週、香港当局はニューヨーク・タイムズのベテラン中国特派員であるクリス・バックリー氏(52)の就労許可証の更新を拒否した。香港出入国管理局からバックリー氏への説明はなかった。

同氏の中国調査報道は、中国本土の国営通信社からの批判の的となっていた。2012年に入社して以来、バックリー氏は中国のエリート政治、最西部の新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒に対する党の大規模な弾圧、最近では新型コロナウイルスのパンデミックに対する政府の初期対応の不手際などを幅広く取材してきた。

中国政府が本土での就労を許可するジャーナリストビザの更新を拒否し、同氏は5月に北京を離れざるを得なくなった。中国政府は、バックリー氏は中国本土以外で資格を再申請しなくてはならないとだけ述べた。これは過去の慣行と矛盾する要件である。

記者のデジタルチームをソウルへ

タイムズの香港支局は、アジアを取材する記者や編集者の拠点としての役割のほかに、近年はニューヨーク・タイムズの年中無休のデジタル部門の運用に欠かせない役割を果たしている。同拠点の編集者は、ニューヨークとロンドン、2つのグローバル本社のスタッフが書いたニューヨーク・タイムズのオンライン記事を監督している。

タイムズは、香港スタッフの約3分の1を占める記者のデジタルチームを、来年中にソウルへと移すとしている。特派員は引き続き香港に残り、市と地域を取材する。「われわれは都市の変容に対する取材を引き続き行い、より拡大していくとともに、この拠点を中国への窓口として活用していきたいと考えている」としている。

香港はまたインターナショナル・ニューヨーク・タイムズの出版物制作チームの拠点にもなっており、同業務に関わるスタッフたちは残ることになる。また、広告とマーケティングのスタッフも、残ることが予想される。

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