カニエ・ウェスト「次の米大統領狙う」男の正体 史上初「黒人ラッパー大統領」誕生の可能性も

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トランプの後釜狙う「カニエ・ウェスト」とは何者か?(写真:George Pimentel/getty)

アメリカ大統領選まで4ヵ月。民主党から指名されることが確実なジョー・バイデンが、現職のトランプを覆す可能性が高まる中、新たな候補者が現れた。黒人なのにトランプを支持することで知られるお騒がせミュージシャン、カニエ・ウェストである。

独立記念日に当たるアメリカ時間7月4日、ウェストはツイッターで「2020年の大統領選に立候補する」と宣言。リアリティ番組のスターで妻のキム・カーダシアン・ウェストは、この投稿にアメリカ国旗の絵文字を返信して支持を表明した。やはりお騒がせ好きなテスラのCEO、イーロン・マスクも、「私は完全に支持します」とツイートしている。

カニエ・ウェストの大統領選出馬を支持したイーロン・マスク(画像:Twitterより)

しかし、一般のアメリカ人の反応は優しくない。このニュースを伝える記事のコメント欄には、「床を転がりながら笑ってしまった」「これに対する唯一の正しい反応は笑いだ」といった投稿が寄せられた。「別の趣味を見つけてよ」「パンデミックは1回にひとつにしてくれ」といった、呆れのコメントもある。

カニエ・ウェストとは何者か?

ウェストの宣言をアメリカ人がまともに受け止めない理由は十分にある。そもそも、彼は狼少年だ。過去にも彼は「2020年に出馬する」と言っては、再選を狙うトランプに配慮して「2024年にする」と訂正したり、宣言をした後に「あの時はあるものを吸っていた」と、マリファナの喫煙を示唆する発言をしたりしてきた。

今年4月に発売されたアメリカ版『GQ』のロングインタビューで、選挙に関する質問を聞かれた時も、「次の大統領選で僕がどっちに投票するかはみんなわかっているだろう。それについて周囲の誰も僕に助言することはできない。そうすることでキャリアが終わると言ったって無駄だ。僕は今もここにいるんだよ。『Jesus Is King』(彼の最新アルバム)は1位になった。彼女(ヒラリー・クリントン)に入れると言わなければキャリアは潰されると忠告されたのに」と、トランプ支持の姿勢を見せている(ただし、ウェストは2016年の選挙で投票をしていない。トランプと蜜月になったのはトランプの当選後のことだ)。

同インタビューで、彼は「僕の両親は自由のために戦った。(黒人が)使ってはいけない噴水式水飲み器でわざと水を飲んだり、黒人お断りのレストランに入ったりした。彼らは、僕が『どっちの白人に投票するんですか?』と聞かれるためにそれをやったんじゃないんだよ」とも言った。つまり、インタビューに応じた段階で彼は、大統領選に出馬するつもりはなかったということである。

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