米株急落でも日経平均は「踏ん張る」と読む理由 今の投資家の「心理状態」を分析してみよう
6月の数字と言えば、もちろん7月1日(木)に発表される日銀短観に要注意だ。4月1日に発表された3月調査分では、大企業・製造業の業況判断DIがマイナス8%と、昨年12月調査のゼロ%から大きく低下し5四半期連続で悪化、2013年3月調査以来のマイナスとなった。
しかも、今回予想される大企業・製造業の業況判断DIはマイナス25%前後となっており、世界が注目している米雇用統計と対照的な姿となっている。一方、米6月の雇用統計にもやはり警戒が必要だ。通常は金曜日の発表なのだが、4日の独立記念日の振り替えで3日(金)が休日となるため今回は7月2日(木)発表となる。
前回の5月非農業部門雇用者数(6月5日発表)は「えっ、間違いではないか?」と思われるほどの予想外の前月比250万人増(予想750万人減)だったのだ。今回も300万人以上増加の数字が予想されている。これだけをもってすれば、アメリカ株を買っておけばよい、ということになり、日本株はますます買い難くなっているはずだが・・・。
あえて日本株に強気を唱える
今後の世界経済については、1カ月前に比べて後退している感があるのは否めない。例えば、IMF(国際通貨基金)は2020年の成長率見通しをマイナス4.9%と、4月時点のマイナス3.0%から下方修正。2021年こそプラス成長を見込むものの、回復は想定より鈍いと分析した。しかも「1930年代の大恐慌以来の不況に陥る可能性がある」と警告したことで、投資家の肝を冷やした。
国際貿易センター(ITC)の調査によれば、世界の中小企業が新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための自粛継続で恒久的に事業を閉鎖するリスクを抱えているという。また感染拡大第2波が予想以上の規模になっているアメリカも、以前と比べて株高の環境にないように見える。
だが、世界が不安感に包まれる中で、景気指標で劣る日本株の強気は唱えにくいが、筆者は引き続き、あえて強気を唱える。その理由を以下、簡単に述べてみよう。
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