都知事選、「焦点はすでに2位争い」で浮かぶ思惑 優勢の小池知事、「目標は300万票」に高い壁
今回、小池氏が狙うのは前回を超える300万票超え。過去300万票以上を集めた知事は猪瀬直樹氏(約433万)、美濃部亮吉氏(約361万)、石原慎太郎氏(約308万)の3人だけ。今回300万票超えを達成するには、総投票数の6割以上の獲得が必要とみられ、ハードルは高い。
小池氏にとっての最低目標は、前回の44.49%の得票率の確保。予測される総投票数から割り出すと約230万票で、これを割り込むようだと、4年間の都政で支持を減らしたことになり、「圧勝」と胸を張るわけにはいかなくなる。
得票次第で枝野氏の責任問題も
2番手グループとみられているのが宇都宮、山本、小野の3氏だ。3度目の挑戦となる宇都宮氏は過去2回の都知事選でいずれも100万票に迫る票を獲得した。今回は立憲民主も全面支援しているだけに、初の100万票超えを目指す。
2019年夏の参院選で立憲、共産、社民がそれぞれ擁立した候補の得票を合計すると200万票に迫る。投票率(51.77%)を考慮しても、支援する3党がそれぞれ支持層を固めれば、100万票超えは十分可能とみえる。
しかし、これまでの各陣営やメディアの情勢調査では、山本氏と競り合っている数字が出ている。仮に今回の得票が過去2回並みかそれを下回り、2位にもならなかった場合は、宇都宮氏への支援を決めた立憲民主の枝野幸男代表の責任問題も浮上する。今秋の解散が現実味を帯びれば、野党共闘を実現し、政権打倒を狙う枝野氏の求心力低下にもつながりかねない。
れいわ新選組の単独公認での出馬となった山本氏も、れいわの存亡をかけた戦いとなる。もともと、立憲などが山本氏を野党統一候補とすべく打診したが、同氏が条件とした「消費税5%」「れいわの公認」で破談となった経緯があり、最終的に宇都宮氏と反小池票を奪い合うことになった。
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