めざせ観光復活、浅草・スカイツリー「歩道」誕生 隅田川橋梁に歩道併設、高架下に商業施設も

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いまから8年前の2012年3月17日、東武伊勢崎線の業平橋駅が「とうきょうスカイツリー駅」に改称、路線にも東武スカイツリーラインの愛称が付けられた。同年5月22日にはスカイツリーの展望台や商業施設が開業した。

堂々とした風格がある東武浅草駅の正面(記者撮影)

近年の訪日外国人観光客の急増も手伝って、浅草と東京スカイツリータウンは、それぞれ年間3000万人が訪れる都内有数の人気スポットとなっていた。両エリアをつなぐ回遊ルートが完成することで、今年はスカイツリー開業以来の大きな節目の年となるはずだった。

だが、新型コロナウイルスの感染拡大は、東武肝煎りのプロジェクトにも水を差した。当初、すみだリバーウォークは4月13日、東京ミズマチのウエストゾーンは4月17日に開業する予定だった。いったん5月に変更となった後さらに延期され、6月18日にようやくオープンを迎えた。訪日客が街から消えたいま、開業後も計画段階での目算が狂うことになるのは間違いない。

浅草駅の魅力再発見?

東武の担当者は「外国人観光客もしっかりと戻ってくるのが完成形だ」と話す。すみだリバーウォークや東京ミズマチは、立地の特性から開放感と“通気性”は十分。密集を避けて気軽に訪れるにはぴったりの場所だ。まずは新スポットの認知度を高め、東武沿線をはじめとする国内からの観光需要を取り込むことが肝要といえそうだ。

正面口に比べると地味な浅草駅北口(記者撮影)

ゆっくりと川を渡った電車は、今度は南側に急カーブして浅草駅の駅ビル2階部分に入っていく。関東で初めて百貨店を併設したターミナルのレトロな建物も隅田川橋梁ができた1931年の竣工。設計は南海難波駅や近鉄宇治山田駅を手がけた久野節による。外観は2012年、開業当時に近い姿にリニューアルされている。

雷門通りの吾妻橋交差点に面した堂々とした正面口とは対照的に、北口は暗い高架下にあって、また別の“昭和の雰囲気”を醸し出している。浅草駅からすみだリバーウォークと東京ミズマチ方面を散策するにはこの出口が便利で、実は浅草寺にも近い。電車を降りて北口から出てみれば、これまでとは違う落ち着いた浅草の魅力も発見できるかもしれない。

橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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