学生時代年金未払いの人はどうすればいいのか 未納期間の不足分を「後払い」するのは可能?
60歳で退職し、厚生年金に加入しない場合も年金を増やすことができます。この場合、60歳以前とは異なり国民年金への加入義務はありません。しかし、老齢基礎年金が満額に足りていない場合は、65歳まで国民年金に任意加入して、第1号被保険者と同じように国民年金保険料を納めることが可能です。保険料を納付すると老齢基礎年金が増えることになります。
その保険料が月額1万6540円ですので、36カ月分足りなければ、その分の60万円程度を納めて満額にすることが可能です。36カ月分の納付で、72万3073円から満額78万1700円になります。ただし、任意加入できるのは最大でも65歳になるまで。老齢基礎年金が受けられる65歳以降はできません。
また、過去にさかのぼって加入することもできません。例えば、63歳0カ月時点で満額まで36カ月分足りない場合、63歳より前の任意加入(保険料納付)はできず、63歳到達月から65歳の前月まで24カ月分しか納付できないことになります。もちろん、厚生年金加入中は任意加入ができませんし、老齢基礎年金を65歳前に繰り上げ受給した場合もできません。
任意加入できる人が、できるだけ多く老齢基礎年金を増やしたいと思えば、早めに任意加入するほうが望ましいでしょう。
「満額までどれくらい足りないか」を把握しよう
任意加入の際、国民年金保険料にあわせて「付加保険料」を納付し、付加年金を増やすこともできます。付加年金とは65歳から老齢基礎年金と合わせて受け取れる年金ですが、月額400円の付加保険料を1カ月分納めると、年額200円の付加年金が受けられます。
つまり、2年で元が取れる計算です。36カ月分であれば、納める付加保険料が合計1万4400円で、受けられる付加年金は年額7200円となります。なお、国民年金任意加入の保険料の納付は口座振替が原則です。引き落とし用の口座を用意しておく必要があります。
このように、60歳以降の厚生年金の加入と国民年金の任意加入という方法で学生時代の未加入で満額に足りない年金を増やすことが可能となっていますが、大事なのは「老齢基礎年金が満額までどれくらい足りないか」を60歳になる前に把握しておくことです。
厚生年金加入は最大70歳まで、国民年金の任意加入は最大65歳になるまでとなっています。「年金の受給額を増やしたくても今からではもう増やせない」ということがないように、早めに備えておく必要があるでしょう。
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