アシアナはどこへ、吹き荒れる韓国航空大再編 買収断念なら大韓航空「一強体制」の可能性
チェジュ航空を除く韓国LCCのうち、ジンエアーは生き残る確率が高いとみられている。一方、ティーウェイ航空は意見が分かれる。2019年3月に運航免許を得たフライ江原やエアロK、エアプレミアなど新規LCCが生き残る可能性は薄い。
2020年3月末のジンエアーの現金・現金同等資産は2070億ウォン(約181億円)。チェジュ航空は680億ウォン(約60億円)であり、ティーウェイ航空は334億ウォン(約29億円)にすぎず、債務超過状態だ。フライ江原も2019年末時点で債務超過に陥っている。「航空会社が持つ現金と財務状態などを見ると、ジンエアーを除いたほかのLCCは年内もたない」(航空業界関係者)。
年内もたないLCCが続出するか
韓国政府は大韓航空、アシアナ航空など大手航空会社中心の業界支援を発表したが、これもLCCの生存可能性が低いためとされている。
韓国政府は5月20日に国内基幹産業の支援を決定し、借入金が5000億ウォン(約437億円)以上、従業員数300人以上の航空・海運企業を支援すると発表した。大韓航空やアシアナ航空、チェジュ航空、エアプサンなどを除く残りのLCCは支援対象にならない。
韓国政府は2020年2月、緊急運営資金として国内LCCに3000億ウォン(約262億円)を支援したが、これ以上の支援は考えていないようだ。
韓国航空大学経営学部のホ・ヒヨン教授は、韓国政府による大企業中心の支援について、「基礎体力が弱いLCCが他の航空会社に吸収、あるいは清算されれば、大韓航空など大企業中心による業界再編が進む」と指摘する。
また、世宗大学経営学部のファン・ヨンシク教授は「各国の航空業界を分析すれば、韓国には大手航空会社が1社、LCCは2~3社程度で十分だ。HDCがアシアナ航空買収を放棄するとなれば、大韓航空一強体制での業界再編が進むだろう」とみている。(韓国「中央日報エコノミスト」2020年6月1日号)
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