アシアナはどこへ、吹き荒れる韓国航空大再編 買収断念なら大韓航空「一強体制」の可能性

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韓国LCCの代表格であるチェジュ航空は、これまで進めてきた同じLCCのイースター航空の買収をあきらめないだろう。HDCとチェジュ航空は、アシアナ航空とイースター航空をそれぞれ買収する予定日をそろって延期した。しかし、両社の事情はまったく違う。

「HDCは買収するかどうかで苦悩しているが、チェジュ航空はイースター航空の買収を悩んでいない。チェジュ航空が株式取得日を延期したのは、同社が納得できるだけのイースター航空のリストラがなされていないためだ」(航空業界関係者)

イースター航空の株式取得日を変更した理由について、チェジュ航空は「株式売買契約の先行条件が満たされていないため」としている。チェジュ航空とイースター航空の事情に精通している関係者は、「チェジュ航空は以前から、イースター航空の買収を打診していた。仁川国際空港など主要空港のスロット(1時間当たりの航空機運航可能回数)が飽和状態であり、既存事業者を買収することでより多くのスロットを確保するためだ」と指摘する。

買収の狙いはドル箱・中国路線

一部では、「チェジュ航空は中国路線を将来のドル箱路線として重要視しており、中国路線の運航権を確保しているイースター航空を買収するのは自然な流れ」という声も聞かれる。実際に、イースター航空は韓国の仁川国際空港と済州国際空港からの上海路線を確保している。さらに5月15日には韓国・清州(忠清北道)から上海と張家口(河北省)の運航権を得ている。

チェジュ航空は中国市場を将来の成長市場とし、韓中間の「完全航空自由化」(オープンスカイ)が必要だと主張してきた。韓中間でオープンスカイが成立すれば、中国の航空会社の低価格攻勢にさらされるという声が多いものの、チェジュ航空は「オープンスカイはさらに拡大されるべき」と主張している。

チェジュ航空の経営母体の1つであるAKホールディングスのイ・ソクチュ代表は、チェジュ航空社長時代の2018年3月、韓国と中国の全面的なオープンスカイについて「リスクでもありチャンス」と述べたことがある。イ代表は「中国という巨大な需要がある国を見過ごしたり、そこでの競争を恐れるようであれば、収益性のある成長はどうやって得るのか」とさえ述べた。チェジュ航空がイースター航空を買収すれば、韓国では初の「メガLCC」が誕生する。

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