朝より「帰宅ラッシュ」が不安になる決定的理由 密接を招きかねない要因が電車内に存在する

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緊急事態宣言が解除された後、大勢の集客を伴うイベントの開催も段階的に再開される見通しだが、鉄道で行われている車両基地公開などのイベントは、中止が続くだろう。

鉄道イベントは広報活動の一貫で、物販や集客があっても収支は赤字と見るべきだ。中止すればコストカットになるが、全体の収益から見れば微々たる額にすぎない。下手に開催すると「けしからん」という話となり、広報活動が裏目に出ることになる。

最近の鉄道イベントは人が多すぎる傾向があり、有料にして人を減らしたほうがよいのではないかとも思うが、お金を払ってでも来る客は筆者のようなマニアばかりとなり、広報活動の成果とは程遠い。むしろ、小田急電鉄が相模大野の車両基地で行っているような、事前応募制で家族連れをターゲットにした基地公開の活動を行うほうが、広報活動の主旨に合っているだろう。今後は「3密」を避けた広報活動として大規模なイベントはやめ、人の数を絞った方向に移るのかもしれない。これが客同士のトラブルの回避にもなり、悪く言えば、効率の悪い鉄道イベントを辞められる大義名分ができたとも言えるだろうか。

巣ごもり対策のほうが効果的?

また、別の方法として、4月30日付記事(家で楽しく鉄分補給、鉄道各社「巣ごもり対策」)で紹介したような「巣ごもり」用の学習サイトを充実させるやり方もあり、広告を打って学習サイトに誘導する仕組みを作ったほうが、ローコストで「3密」のない、効果的な広報活動なのかもしれない。

残念ながら、新型コロナウイルスの影響は長期化が避けられない。店内に客を呼んでいた飲食店がテイクアウト・持ち帰りへ移ったように、鉄道も既存の集客構造から、新しい収益構造に移らざるをえなくなっている。

柴田 東吾 鉄道趣味ライター

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しばた とうご / Tougo Shibata

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR・私鉄路線は一通り踏破したが、2019年に沖縄モノレール「ゆいレール」が延伸して返上、現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。『Rail Magazine』(ネコ・パブリッシング)や『鉄道ジャーナル』など、寄稿多数。

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