宣言解除でも安倍首相への不信感が消えない訳 内閣支持率急落、安倍チルドレンから批判も

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問題の核心は、1月末の前代未聞の黒川氏の定年延長閣議決定であることは明らかだ。その際も支離滅裂な答弁を繰り返して野党から法相不信任決議案を突きつけられた森法相が醜態を演じ、森法相を重用してきた「アベ友人事」の破綻も浮き彫りにしている。

黒川氏の賭けマージャンについて、「1000点100円」のレートを「必ずしも高額とは言えない」(刑事局長)とした法務省の国会答弁は、「もはや笑うしかない」(検察OB)との声が出る。アベノマスクや星野源コラボ動画など、安倍首相が絡んだ一連の騒動は「お笑い安倍劇場」などと揶揄され始めている。

安倍チルドレンから首相批判の声

すでに政界では「安倍1強」という言葉は消え、安倍チルドレンと呼ばれた自民若手が地元有権者の反発に怯えて、公然と首相批判を始めている。「次の選挙が怖い」(当選3回代議士)からだ。

こうした八方ふさがりの窮状からの脱出策として安倍首相が考えているとみられるのが、政治日程を利用した局面転換だ。その第1弾が、コロナ対応で大幅会期延長も検討された今国会を、当初会期の6月17日で閉幕させることだ。

安倍首相はこれまで、政権危機を迎えると国会閉幕で態勢立て直しを図ってきた。「国会がなければ野党は追及できず、首相批判も沈静化する」(自民国対)との成功体験に基づくもので、「まさに逃げ恥作戦」(閣僚経験者)だ。

政権にとっての当面最大の火種は、公職選挙法違反(買収)事件で検察の捜査が大詰めを迎えている河井克行前法相と夫人の案里参院議員の立件だ。かねてから国政選挙の前の政界捜査を控えてきた検察当局にとって、コロナ対策で緊迫する国会審議に影響を与えかねない河井夫妻の逮捕許諾請求は避けたいのが本音だ。

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