世界の通勤事情、日本で役立つアイデアあるか

車内デザイン、バスの活用など世界に学ぶ

首都圏の通勤事情の過酷さは世界でもまれだ(写真:tkc-taka / PIXTA)

新型コロナウイルス感染症拡大によって、日本、特に東京圏の通勤事情問題がクローズアップされた感がある。感染症の終息うんぬんとは別に、混雑緩和を真剣に考える時期が来ていると思う。そこで、海外と日本の通勤事情がどれだけかけ離れているかを比べ、日本でも応用できるアイデアはないかも検証してみた。

通勤事情は東京と大阪でも異なる

日本国内でも東京と大阪では通勤電車の混雑度が異なる。東京の通勤電車はほとんどがロングシートと呼ばれる、窓に背を向けて座る座席の車両で、立って乗るスペースを大きくして定員を確保している。一方、関西の通勤電車には多くのクロスシート車両がある。クロスシートとは座席が進行方向かその逆を向く車両で、旅気分も味わえる。1両当たりのドア数も東京が片側4カ所に対し、関西は3カ所が主流である。大手私鉄の車内でも、東京と大阪では手すりの数に大きな差がある。東京の通勤電車はそれだけ混雑度が高いというわけだ。

総武・横須賀線に導入される新型車両はグリーン車を除いて全車ロングシートとなる一方で、大阪環状線はホームドア導入のためではあるが、1車両のドア数が4カ所から3カ所に減っている。

関西では「クロスシートがいいに決まっている」という人が多数派と感じるが、東京では「クロスシート車両は身動きが取れなくなるので避ける」と感じる人もいるようだ。その結果、関西では「鉄道旅は楽しいもの」なのに対し、東京では「単なる移動手段」となる傾向がある。

ちなみに、関西で多く見かけるクロスシートは「転換クロスシート」といい、背もたれをバタンバタンと倒して向きを変える(背中に当たる部分が逆向きに倒すと背面になる)。JRの名古屋、福岡、札幌地区でもよく見るスタイルだが東京にはない。たまにこの転換クロスシートを回そうとしている人がいるが、おそらく関東の人であろう。

このように、鉄道車両の設備を見ることでも、その地域の通勤事情の違いが見えてくる。

次ページ欧米と日本では雲泥の差
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 読んでナットク経済学「キホンのき」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ徹底検証<br>日本は第2波に耐えられるか

米国やブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、日本は感染者も死者も圧倒的に少ない。その理由はいったいどこにあるのでしょうか。政策面、医療面から「第1波」との戦いを検証。「第2波」への適切な備え方を考えます。