小中学校「オンライン教育格差」が招く真の問題 学校が再開されればいいという話ではない

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主な内容は4種類。朝会、授業などで先生、友達と時間を共有できるようになっているか、オンライン上で勉強できる教材が用意されているか、課題を提出、添削、フィードバックする仕組みがあるか、先生との個別のコミュニケーションが取れているか。

そして欄外に用意されているのはデバイス貸与の有無。これだけ用意されていれば通学して行うには及ばないにせよ、ある程度の学び、コミュニケーションが取れるだろうというものである。

中学校は小学校より惨憺たるありさま

結果を公開すると大きな反響があった。17日の時点では豊島区、文京区、千代田区、渋谷区の「トップランナー」4区(中央区は初日にリアルタイム双方向性のやりとりができる点からトップランナーに入っていたが、ほかの項目の進展が今1つと翌日「走り出し」に)と港区、中野区の7区の記載だったものに他区の保護者などから声が寄せられ、18日には世田谷区、荒川区など4区の情報が加わった。

足立区在住の村上武士氏は17日から中学校バージョンの作成を始めた。ウェブ、テレビでも取り上げられており、以降、保護者のみならず、区議などからの問い合わせ、情報提供も増えた。

だが、それでも22日現在で掲載されているのは11区。残りはまだ12区あり、村上氏が集めた中学校の情報は14区で、残りは9区。ちなみに中学校は小学校より惨憺(さんたん)たるありさまだ。

また、走り出しているとはいえ、実現には時間がかかりそうに見える自治体もある。そんな区に住んでいる、あるいはそもそもここで取り上げられていない自治体に住む多くの親は広がる格差に気が気ではないはず。どうしたら、自分が住むまちの教育を動かせるか。

「広く聞いてみたところ、多くの場合、ICT教育推進の判断をしているのは学校単体ではなく、教育委員会。ここに直接、間接に働きかけるのがいいことがわかりました」と森田氏は話す。

村上氏によると、勤務する会社で必要なら学校に機器を貸し出すとフェイスブック上で告知したところ、4校から問い合わせがあり、そのうち校長先生が強いリーダーシップを持っていた2校ではオンラインで授業や朝の会などが始まったそうだが、全体から言えばごく少数だ。

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