中国の燃料電池車ブームは日本企業に追い風か

トヨタや現代に加え、地場企業も開発に注力

昨年末、中国工業情報部は「NEV産業発展計画(2021-2035年)」(草案)の策定に向けてEVに限らず、FCVを含む多様な技術路線を推進する方針を示した。草案ではFCVの燃料となる水素を供給する施設の配置や輸送管の建設、水素の蓄蔵・運送コストの低減などを模索しながら、特定地域におけるFCV商用車の導入を支援する方針が示された。

中国財務部は5月、北京市、上海市、山西省、江蘇省、河南省、湖北省、広東省、四川省の8省市に「燃料電池車の示範推進に関する通知」(意見募集)を提起し、FCVモデル都市の認定に取り組む姿勢を示した。FCVモデル都市の認定条件は以下の4つとなる。

① 部品条件:コア部品・材料技術の向上と実用化。関連企業が研究開発能力を擁し、第3者の総合テストを受けた部品をモデル地区内のFCV500台以上に供給する
② 車両条件:新技術を用いる車両の導入と実用化。モデル地区におけるFCV導入台数は1000台超、1台当たりの累計走行距離は3万㎞を満たす
③ インフラ条件:水素供給及び水素ステーションの建設。水素源の確保及び安全性・経済性、稼働できる水素ステーション15カ所以上
④ 政策条件:関連支援策の整備。地方政府による水素ステーションの運営、FCVの普及、政府のモニタリングなどに関する政策の策定。

補助金は過去と比べると減少

また、政府は認定された都市に対し、4年間のモデル期間を設け、導入実績に合わせて奨励金を支給する方針を示した。財政部は別途で策定した「FCV都市・都市群の示範目標とポイント制度」に基づき、上記条件の達成状況をポイント加算方式で評価し、奨励金支給額を決める。

筆者がそれぞれ評価項目の奨励金上限で計算したところ、新制度では1台当たりのFCV補助金額は約10万元(約150万円)となり、過去(2019年)のFCV補助金額(1台当たり平均約570万円)の26%にとどまる。

「十城千両」のFCV版とみられる国家プロジェクトは、地方政府主導で公共交通機関、タクシー、政府機関の公用車、郵政などの分野を対象に、都市単位でのFCV導入を図る目的である。これにより中国FCV産業の発展が期待される。

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