駅の案内で大活躍「AIさくらさん」の別の顔

社員向けヘルプデスクなど導入企業は300社

JR東日本とコラボしたAIさくらさん。2019年の東京モーターショーにも参加した(写真:ティファナ・ドットコム)

「あなたの名前と年齢を教えてください」「渋谷さくらです。さくらさんって呼んでください。今年で21歳になります」

3月14日に開業したJR高輪ゲートウェイ駅で大きな話題を集めたのが、試行導入されたAI接客システム「AIさくらさん」。アニメ風の女性駅員キャラクターが人に代わって乗り換え情報や駅周辺の飲食店情報などを音声や文字で案内する。AIに親しみを感じてもらえるよう、AIを擬人化し、名前、年齢などのプロフィールがインプットされている。

そのため、AIの“個人情報”について質問すると、あたかも人間と会話しているような錯覚に陥る。開業当初、本来の役割とは無関係の会話を試みる利用者が続出したことから、現在は一部の質問に対しては、「お仕事に関する質問をお願いします」という答えを返すように改修されたほどだ。

乗り換えから駅周辺案内まで

むろん、会話を楽しんでもらうことが本来の目的ではない。JR路線に限った乗り換え案内の精度は高い。首都圏はもとより、東北、北海道への乗り換え案内もテキパキとこなす。「コーヒーを飲みたい」と問いかけると、周辺の喫茶店の位置を教えてくれる。逆に、試しに郊外にある私鉄の駅への経路を尋ねると認識できなかった。「会話を重ねることで改善されていく」と、JR東日本の担当者は説明する。

AIさくらさんを開発したのは、Web制作などを手がけるティファナ・ドットコムだ。設立は2000年。もともとAIとは無縁の会社だった。顧客とのやり取りを通じて人手不足に対する悩みを聞く機会が多くなってきたことが、AIの開発につながったという。当初は社内にAIの知識はほとんどなく、培ってきたWeb制作の知識を生かして、AIをゼロから勉強しながらのスタートだった。

次ページ6年前に開発着手、鉄道以外にも導入多数
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