堀江貴文「リスクに過剰反応する人が失うもの」 人生という「川の流れ方」と「滝の落ち方」

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僕は決して無茶振りはしていないし、へんな制約もつけない。それに、サロン内にはサポートしてくれる優秀な人材も揃っている。それでも動けないということは、リスクに食い止められる程度にしか「やりたい」と思えていないのかもしれない

もしそうなのだとしたら、それはそもそもやる必要がないことなのだろう。「本当にやりたいこと」を見つけた人というのは、多少のリスクがあろうと、指先で少しでも押したら、勝手に突っ走り始めるものだ。

あるいは、心のなかで実際以上に大きな「滝(=リスク)」を勝手に作り出して、逃げ腰になっているのかもしれない

リスクのない人生を送ることは不可能

人は、行く先に大きな「滝」が視界に入ってくると、おかしな行動を取ってしまうものである。半狂乱のような状態になったり、普段なら引っかからないような詐欺にダマされたり、他人を陥れるようなウソをついたりしてしまう。

かく言う僕も、時価総額1兆円に迫る会社の経営者から、長野刑務所の服役囚になったという意味では、かなり巨大な「滝」から落っこちたことになる。

『時間革命 1秒もムダに生きるな』(朝日新聞出版)(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかし僕は、あの「滝下り」を前にしても、まったくパニックにならなかった。公判の最中にも「あー、もうすぐ滝に落ちるっぽいなあ」と呑気なものだったし、判決が出たあとも「おーっ、落ちてる落ちてる」「うひゃー、こりゃすごいな」くらいのものだった。

なぜか?そんな「滝」は、「ウサギの角、カメの毛」、考えても仕方がないことだとわかっているからだ。

「滝」のない人生を送ることは不可能である。「滝」にぶつかるかどうかは運任せの領域であり、こちらではコントロールできない

僕たちは大きな「川」の流れの中にいるのだから、ひとたび目の前に「滝」が現れたら、どんなにもがいてもムダだ。

むしろ、手足をジタバタさせていると、落っこちたときに大ケガをしかねない。身体の力を抜いて、流されるがままにいくのがベストだ。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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