コロナ対応、成果が出ても続く医療現場の負担

新規感染者数は減少傾向だが油断できない

実効再生産数は1日ごとの新規感染者数が計算のベースになっている。だが現在、保健所の態勢が追いつかないこともあり、症状がみられてもすぐPCR検査を受けられないケースが続出しており、正確な感染状況が把握できていない状況だ。そのため、実効再生産数の計算ではPCR陽性率を補正することで検査数の少なさをカバーしているという。

現状、症状がみられる人の検査を行って陽性と判明し、感染状況が実際の数値になって現れるまでには約2週間のタイムラグがある。今回示された数値のベースになっているのは、4月10日までの状況だ。これは緊急事態宣言が発令されてから間もないタイミングだ。

警戒姿勢を緩められない理由

4月10日時点で全国よりも東京の実効再生算数が低いのは、3月下旬に都知事が「感染爆発の重大局面」と警鐘を鳴らし、独自の外出自粛要請を行った効果が出ていると見られる。

その後、国の緊急事態宣言による広範囲に渡る自粛効果が出ているとすれば、足下ではさらに実効再生産数が低下していてもおかしくない。だが今回の専門家会議では、感染拡大対策の緩和ではなく「現在の枠組みを維持する」ことが提言された。

なぜ専門家会議は警戒姿勢を緩めなかったのか。大きな要因は、医療現場が逼迫している状況は依然続いているためだ。

今回の会見には、東京都の感染症指定医療機関である都立駒込病院の今村顕史・感染症センター長が出席し、医療現場の状況の説明に多くの時間が割かれた。専門家会議の会見で、ここまで医療体制の整備にフォーカスしたのは初めてのことだ。

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