「新型コロナ終息後」に大きく上昇する株は何か 「人々の価値観」は危機後どこまで変わるのか

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――今後、どんな業界や銘柄に注目していますか?

山川:短期的にはマスクやテレワーク、動画配信など、「コロナの影響を耐え忍ぶ銘柄」がテーマになると思います。例えば、体温計だけでなく人工心肺装置なども製造しているテルモ(4543)や、医者向けの情報サイト運営をしているエムスリー(2413)、さらには、企業の販売債権を買い取って資金繰り支援を行う業務が中心のイー・ギャランティ(8771)が挙げられます。また、学校の休校が長引いていることから、オンライン英会話運営を手がけているレアジョブ(6096)にも注目しています。

パンデミック後、人々の価値観は変わるのか?

ただ、こうした銘柄だけでは日本経済全体を押し上げるのは難しいでしょう。やはり中長期では感染拡大が終息するタイミングを見計らって、2019年までの主要テーマだった5Gや半導体、自動車・自動運転関連などの銘柄に資金が戻ってくるかがポイントになると思います。

また、より長期的には、人々のライフスタイルがどのように変わるのか、そのトレンドを読んでそれに沿って行動する企業の株が上昇するとみています。その意味で、今は一時避難的に利用されているテレワークがどこまで根付くのかに注目しています。具体的には在宅勤務を先取りした間取りを持ったマンション・戸建て住宅や、街作りまで踏み込んだ不動産開発などが挙げられます。

北野:私も人々の価値観が変わるのかどうか、すごく興味があります。ひとつ前の大きなパンデミックの例では、1968年の「香港かぜ」のケースが挙げられます。世界中で約100万人が死亡したともいわれますが、2年後の1970年には大阪万博が開かれ、「こんにちは」とやっていました。今は「人々の行動などに構造変化が起きる」といわれていますが、新型コロナで悲観的に見られている企業が、注目される局面があるかもしれないとも思っています。

一方で、株主資本主義からすべてのステークホルダーへ、ESG投資へというように、すでに価値観は変わっています。例えば2011年には「ウォール街を占拠せよ」という抗議デモが起きました。「1%の人が99%の人の犠牲の上に富を独占している」ことへの反感から起きたことでした。ところが、今回は「99%の人が、命のリスクにさらされている1%の人のために行動規制をしよう」といったようにずいぶんと違う動きになっています。こうした変化が加速するのか、注目しています。

東洋経済 会社四季報センター
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