昔と今で様変わり「山手線」の電車と駅の風景 49年ぶり新駅が開業、原宿駅も新駅舎に交代

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原宿駅は新駅舎の使用開始と同時に、従来は内回り・外回りで同じだったホームが2つに増えたが、もう1つのホーム「宮廷ホーム」も存在する。原宿駅を発車してしばらくすると右手に見えてくるホームだ。天皇がお召列車を利用する際などに使った、皇族専用の “駅”である。

新宿駅付近の大ガード。旧型電気機関車が牽引する貨物列車の姿が見える1975(昭和50)年の様子(上)と、高層ビルが増えた近年の風景(筆者撮影)

代々木はすでに新宿南口が見える場所。新宿も渋谷同様に増築が進み、その形態は一昔前の増築を重ねた温泉旅館のようだ。南口は「バスタ新宿」の完成とともに大きく様変わりした。

新宿を発車した電車は靖国通りの大カードを渡り新大久保に向かう。駅周辺はハングル文字によって“異国情緒”が漂う。高田馬場では発車時に「鉄腕アトム」のメロディが流れるが、ここは手塚治虫の鉄腕アトム生誕の地。ガード下には手塚漫画のキャラクターが描かれている。

高田馬場―新大久保間を走る山手線の電車(左)と、D51形蒸気機関車が牽引する貨物列車=1952(昭和27)年(写真:大塚康生)

目白は、1970(昭和45)年ごろまで赤羽線からのD51形蒸気機関車が留置されていた記憶がある。板橋駅の入れ替えに使用されていたものだ。

西武池袋線のオーバークロスを過ぎると池袋。ここから線路は大きく右にカーブして大塚に至る。この駅も最近新しいビル駅舎に変わったが、側面に位置する都電乗り場は昭和のまま時間が止まったような雰囲気を残している。

唯一の踏切は駒込―田端間

お年寄りが多数乗降する巣鴨は桜並木の切通しを電車が走る。次の駒込も「六義園」の枝垂れ桜の季節は賑わう駅。この駅と田端間には山手線(貨物線は除く)唯一の踏切「第二中里踏切」があり、少しばかり異質な山手線の光景を見せている。

第二中里踏切を過ぎて右にカーブを切ると、山手線の「終点」田端である。1番線・京浜東北線側の切通しの崖からは湧き水が見られ、線路と崖の隙間に湧水池があり金魚が泳いでいる。ささやかな都心のオアシスといったところだ。

今春までは山手線で一番新しい駅だった西日暮里を経て日暮里、そして山手線の駅でもっとも乗車人員が少ない鶯谷を過ぎると、北のターミナル上野。始発列車の減少で往年の賑わいはないが、それでもターミナル駅としての風格は保っている。

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