岩田健太郎「手指消毒がコロナに1番効く理由」 「引き算の発想」欠如が日本人の疲弊を招く

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昔は集中治療室に入るときに靴を履き替えたり、部屋の前にベタベタするマットを置いて、靴をベタベタさせてマットにウイルスをくっつけようとしていましたが(ぼくらは「人間ホイホイ」と呼んでました)、全く意味がないことが分かったので今はやっていません。

家の中の消毒をどこまでやればいいか、気になっている方も多いと思います。消毒したいのなら、手すりやドアノブなど手で触れるところを中心にして、床は普段のとおり掃除すればいい。見た目がきれいであればそれでいいでしょう。

それよりも、手指消毒さえしっかりしていればどこを触っても問題ないので、家のドアノブをきれいにするという発想よりは、手指消毒をしっかりするという発想のほうがより正しいんです。

「手すりの消毒」を議論するときりがない

病院で人の手がよく触れるところとして、エスカレーターの手すりがありますね。特にご高齢の方は手すりに触れないと立っていられない人も多いので、手すりに触る機会が多い。

それでは病院が、エスカレーターの手すりをどれくらい消毒しているかというと、とある病院ではお掃除の方が1日に1回消毒しています。

それを聞くと「1日1回だと、その間にウイルスに触った人がいたら困るじゃないか」なんて言い出す人が出てくるかもしれませんが、それなら15分に1回消毒をしますか? でもその15分の合間に誰か触るかもしれないですね。なら5分に1回にしますか? それでも不安なら3分に1回にするの……とか、この議論をするときりがないんです。こんなの無間地獄ですよ。

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