「大学費用1000万、20年返済」なら毎月いくらか JKだって超知りたい!「人生に必要なお金」

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「奨学金は、返す必要のないのが給付型。返す必要があるのが貸与型って言うんスね。貸与型には、借りている期間中、利息がつかないものと、つくものがある。学校ごとでも支援が始まっているみたいだから、まずは大学に問い合わせてみるのことスね」

自分の資産価値を上げるための手段として大学へ行く

「そだね。みんな、頑張って欲しいし、私たちも頑張らないとね」

花実は、新薬の開発研究に携わりたい夢を思い出す。いや、夢ではない。目標にする。

「ねえ、花実ちゃん、私ね、インスタグラマーで生きる道もあるかなって考えてたんだけど、やっぱ、自分の資産価値を上げるために、大学に行くことにした」

「自分の資産価値?」

いつもぽわんとした可愛い芽衣ちゃんのいったいどこから出てくるのか・・・。ギャップのある、きりりとしたアドバイスに、花実は射抜かれたような気持ちになったのだった。

FPエマ先生から花実ちゃんへのアドバイス

芽衣ちゃんのお兄さんは、自分が進みたい道がはっきりしていて、必要なスキルを身に付けるためにイタリアに行ったのですね!修行を積んで一流の靴職人になる、スペシャリストとしての人生を選んだ。すばらしいです! 

さて、多くの人にとって、人生の最初の4分の1くらいの期間は、学校などで知識や教養を身につける「学びの期間」です。大学進学は、社会に出るためのトレーニング期間、自己投資と考えれば、教育費は、価値のあるお金の使い方ですね。

そして、社会に出て、仕事をしながら、さらに知識や経験、スキル、人脈といったものを増やしていきます。これらを「人的資本」といいます。自分の資産価値を高めていくことで、キャリアアップはもちろん、転職をすることも容易になっていくでしょう。

人生100年時代、マルチステージの人生とは、自分への投資をしながら、人生の選択肢を広げて生き抜くことです。長期的に、多角的な視点で、自分は何をしたいのか、どう生きたいのかを模索していきましょうね。

次回は7月19日掲載の予定です。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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