《中国・アジア市場攻略》現地企業と組むダイキン、核心技術を渡しエアコン世界一を狙う


 上海市の中山公園近くにある大型量販店。2階奥のエアコンコーナーには、格力や美的電器などの中国メーカーだけでなく、三菱電機やパナソニックなど日本メーカーも顔を出す。中国の量販店は日本の百貨店のような、いわゆる「場所貸し」方式。メーカーはブースを設ければ出店料のほかに、売り上げの10~15%をロイヤルティとして支払わなければならない。採算面では厳しいが、週末には消費者がひっきりなしに訪れるため、宣伝効果が大きい。

 ダイキンはこの量販店で、いちばん奥まったスペースを確保している。トヨタ自動車「レクサス」ブランドのディーラーを彷彿とさせる高級感ある店づくり。並べる製品も「2等級」中心の高価格製品を前面に押し出す。高額所得者が多い地域性を考慮し、格力との共同開発製品は置いていなかった。

同社は量販店への出店を10年3月までに3000店と、前年比1・5倍に増やす計画。これまで手薄だった武漢や重慶など内陸部の大都市に照準を置いている。

また、マンション向けの営業を展開する「プロショップ」と呼ばれる専売店も同1・7倍の350店に増やす。中国のマンションはエアコンの設置も設計段階から購入者が判断する。富裕層はホテルのように天井などに組み込むタイプのエアコンを好むため、プロショップを根城にドブ板営業を繰り広げている。

同じく上海市内にあるダイキン工場をのぞくと、ラインスタッフは品質チェックに余念がなかった。この工場は、マザー工場である滋賀県草津市の工場とほぼ同じ構造で、一台流しの組み立てラインを設置。800機種もの多品種少量生産を行う。日本の工場と違うのは、検査チェックだけを専門に行うスタッフがいること。検査担当者は全スタッフの4分の1を占める。

この工場では、格力との提携製品を含めた多品種を流す新ラインを11月に稼働した。さらに、もう一本新ラインを設置中で、ボリュームゾーン攻略に向けての増産体制は着々と整えられているようだ。

(週刊東洋経済)

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