京急「品川再開発」、トヨタ参加で大きく変貌? リニアと自動運転の「次世代ターミナル」に
緊急事態宣言が明日にも発令されるかと、東京都民がかたずをのんで見守っていた4月6日午後、京浜急行電鉄があるプレスリリースを発表した。そこにはこう書かれていた。
「当社は、品川駅西口地区における現シナガワ グース敷地を活用した当社開発に、トヨタ自動車株式会社を共同事業者として迎えることをお知らせいたします」――。
品川周辺の再開発計画というと、3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅とその周辺の再開発に注目が集まるが、京急も品川駅とその周辺に複数の再開発計画を持つ。その1つが「高輪3丁目地区」計画だ。
都内屈指の立地に自信
京急は品川駅西口の正面にホテル、会議場、レストラン、商業施設などから構成される複合施設「シナガワ グース」を保有している。ホテルは935室の客室を持つ京急EXホテルが入居しており、京急のホテル事業にとってもフラッグシップ的な位置づけだ。西口にそびえる30階建ての高層ビルは目を引くが、建物自体は約50年前に建設され、新築ビルと比べると競争力が劣る。
そこで京急はビルを取り壊して、約2万5000㎡の敷地に最新鋭の設備を備えたビルを建設する決断を下した。羽田空港の玄関口、そして2027年に開業が予定されているリニア中央新幹線の発着駅である品川駅前という立地を生かして、「国内外のグローバル企業や国際水準の会議・ホテル誘致」を目指した。
京急によると総事業費は「1000億円超」。2024年以降、2027年までの完成を目指すという。高輪ゲートウェイ周辺に建設されるオフィス棟が次々と完成する時期も2024年頃とされている。このビルの完成前に高輪ゲートウェイのビル群にテナントをごっそり奪われるのではないかという危惧もあったが、京急は品川駅前という「都内屈指の立地」に絶対の自信を持っていた。そして決まったのが、日本を代表するグローバル企業のトヨタだった。
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