相次ぐ「賃料減額」要請、コロナが蝕む不動産 自粛長期化なら不動産会社に大きな痛手

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ホテルや商業施設を多く保有するREIT(上場不動産投資信託)にも、テナントからの賃料減額要請が相次いでいる。「一度テナントが抜けると、次のテナントを見つけて入居するまでに時間がかかり、その間賃料はゼロになる。機会損失を考えれば、多少の賃料見直しはやむをえないだろう」と担当者は打ち明ける。

加えて、「ビルオーナーである不動産会社が賃料減額に応じなかったせいで、破産に追い込まれた」などという風評がテナントの間に広がり、不動産会社の評判や信用に傷が付くことも懸念材料だという。

オフィスにもじわり影響

感染拡大が長引けば、賃貸不動産の大部分を占めるオフィスにも影響が及びそうだ。現状では、「内見のキャンセルなどが生じてはいるものの、大規模な空室が発生する事態には至ってない」(三幸エステートの今関豊和チーフアナリスト)。

他方で、SMBC日興証券は東京五輪の延期によって東京都心部のオフィス空室率が2.4%上昇し、3.8%に達すると試算する。すでに中小型のオフィスビルでは、体力の乏しいスタートアップから賃料の支払い猶予や退去の要請が来ているという。仮に賃料が支払えなくなった場合、敷金を賃料に充填するといった対応も迫られそうだ。

一方で、テナントの身を案じて契約条件を譲歩しようとしても、投資家がそれを許すかどうかはわからない。賃料減額は、めぐりめぐって投資家が受け取る配当にも響くためだ。

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この点を特に気にするのはREITだ。「REITの運営会社は投資家に対して善管注意義務を負っており、賃料を引き下げることには慎重にならざるを得ない」。テナントと投資家の板挟みとなる国内REITの運用担当者は頭を抱える。

7日の緊急事態宣言の発令で、営業自粛に追い込まれるテナントが増えることは間違いない。国交省は不動産所有者への経済措置について「政府の経済対策の中で検討していくとは思うが、現時点で決定しているものはない」と話す。他業種に比べて、業績への影響に遅行性があると言われていた不動産業界だが、実入りが減り続ければ、不動産会社自身の経営問題にも飛び火しかねない。

一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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