「店」に当たるのが競技会場になる。「空いていればどこでもいい」ではない。「主賓」が気持ちよく過ごせないといけない。「幹事」としては店側には「〇月〇日に行くかもしれないが、大丈夫だろうか」という確認を始める。おおよその日程を決めても、店がなければはめ込めない。
東京オリンピック・パラリンピックの会場は、規模の大きいオリンピックでは33競技43会場を予定していた。3月25日の日刊スポーツ紙1面にオリンピック会場の調査記事が掲載された。現状での1年後の様子がよくわかる。
延期決定の会見で森喜朗・組織委員会会長は「会場が空いていなきゃどうしようもないじゃないですか。そこから始めないといけない」と話している通り、1年後、仮に2020年と同時期に開催するとして43会場、使えるのだろうかというのが大きな問題だ。
新設会場は五輪優先なので調整可能
この大会のために新設された新国立競技場(陸上)、東京アクアティクスセンター(競泳)、有明アリーナ(バレーボール)など競技場は、確保するのに支障はない。
有明テニスの森公園(テニス)、東京辰巳国際水泳場(水球)、馬事公苑(馬術)、霞ケ関カンツリー倶楽部(ゴルフ)、カシマサッカースタジアム(サッカー)、伊豆ベロドローム、伊豆MTBコース(自転車)、夢の島公園アーチェリー場(アーチェリー)など、一定の競技に特化している会場は、新設・既存とも競技団体などの意向が反映されやすいので、大丈夫といえる。
東京オリンピック・パラリンピックのために造る仮設の施設、青海アーバンスポーツパーク(スポーツクライミング、3人制バスケットボール)、海の森水上競技場(カヌー、ボート)、有明アーバンスポーツパーク(スケートボード、BMX)、カヌー・スラロームセンター(カヌー)なども問題ないだろう。
43会場のうち、既存の施設を利用するのが25会場ある。その中で、プロ野球やJリーグ、大相撲で使われているところは、そちらの日程との調整が必要だ。横浜スタジアム(野球)、札幌ドーム、埼玉スタジアム、日産スタジアム(以上サッカー)、両国国技館(ボクシング)、味の素スタジアム(7人制ラグビー、サッカー、近代五種)などは、コンサートや他のイベントでも使われることが多いが、2021年の予約に余裕はあるという。
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