三菱電機「8年で自殺5人」何とも異常すぎる職場 長時間労働が横行、「殺す」と脅すパワハラも

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三菱電機は2012年以降、月100時間を超える残業などが原因で6人の労災認定者、5人の自殺者を出している(1人は子会社社員)。こうした事態に対し、三菱電機は「個別具体の話はできない」とする。しかし、これらの事件には、「個別の問題」とは言いがたい共通点がある。

同社社員の過労自殺が初めて明らかになったのは、2014年に労災認定された大木雄一さん(仮名、享年28歳)のケースだ。

名古屋製作所のシステムエンジニアだった大木さんは、担当していたプロジェクトの遅延に対応するため、月100時間を超える残業を続けていた。そのプロジェクトのメンバーは、入社3年目の大木さん以外、関連会社の業務委託など外部のスタッフだった。自分より経験があり年齢も上の外部スタッフには残業はさせられず、大木さんは業務過多になっていた。

後に弁護士らの調査によって、上司からは「仕事を人に振れないお前はダメだ」と言われていたことや、関連会社の設計リーダーからも長時間叱責を受けて鼻血を出してもやめてもらえなかったことなどが明らかになった。

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責任感が強く愚痴を言うことがなかったという大木さんは、「上司は言わなければいけない立場だから仕方がない」と理解を示し、納期の遅れを取り戻そうと懸命に働いていた。だが、上司は製品の出荷前に「次に納期に遅れたら殺す」と追い打ちをかけた。大木さんは、この先こんなにつらい状況が続くのかと思うと頭が真っ白になり、精神的に追い詰められていった。

プロジェクト終了後も雑務や後輩の指導で過重労働が続いた大木さんは、うつ病を発症し自殺未遂を繰り返した。実家で療養中、28歳の若さで自ら死を選んだ。

「息子が亡くなって8年経ちますが、思い出さない日は1日もありません。第二、第三の息子を出さないために、企業風土を変えてほしい」。そう話す父親の思いに反し、その後も自殺者が続いた。

度を越した“指導”が蔓延

社員を自殺まで追い詰めた要因の1つが、上司の暴言だ。「殺す」という直接的な暴言だけではない。多くの人の前で答えられない質問や人格否定を繰り返す行為が、被害者たちの残した記録からわかる。「部員の間で『説教部屋』と呼ばれる会議室があり、数時間にわたる叱責を受けた」など、長時間拘束する “指導”が複数の社員・元社員から聞かれた。

2014年に適応障害を発症し労災認定された小山雄二さん(仮名、30代)は、「パワハラと長時間労働は表裏一体だった」と話す。

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